体験版のお祭り「Steamゲームフェスティバル」開催中。大量の作品の中から期待作5本をピックし感想など

Valveは2月4日、Steamにて体験版イベント「Steamゲームフェスティバル」を開始した。本稿では、イベント参加作品の中からいくつかピックアップして紹介しよう。

Valveは2月4日、Steamにて体験版イベント「Steamゲームフェスティバル」を開始した。開催期間は、日本時間で2月10日3時まで。今回も世界中から開発中の作品がイベントへ参加しており、多数の体験版がプレイできるほか、ライブストリーミングや開発者とのチャットイベントなども作品ごとに行われている。本稿では、イベント参加作品の中からいくつかピックアップして紹介しよう。


『Hidden Deep』は、未知の生命体が待ち受ける海底洞窟を探索する、緊張感のあるSFアクションスリラーだ。海底約1600mへ派遣された調査チームが、681日後に音信不通となった。プレイヤーは、突然連絡が取れなくなった調査チームを捜索するべく、第2調査チームを率いて海底へと出発。エイリアンに支配された洞窟の中を進み、事態の解明を目指す。

第2調査チームのメンバーたちは、いわゆるワイヤーガンやグラップリングフックと呼ばれるロープ付きの銃を所持しており、洞窟内を自由に探索できる。しかし、本作ではどこからともなくエイリアンが襲ってくる。ロープを握っている間は当然銃での攻撃はできず、ちょっとした高さから落下すると死亡するなど、調査チームのメンバーたちは基本的に人間らしい性能をしているので、命を大事にするなら行動に慎重さが要求されるのだろう。デモ版をプレイした限りでは、薄暗い洞窟の中は先が見通せず、不穏な空気と緊張感の漂うゲームプレイが印象的だった。


『ANNO: Mutationem(アノー:ミューテーショネム)』は、2Dと3Dを組み合わせてサイバーパンク世界を描く、アクションADVゲームだ。舞台になるのは、大企業、謎の地下組織、奇怪な生物などがうごめく巨大都市。主人公のアンと相棒のハッカー・アヤネは、都市に広がる混沌とした闇を相手に、自分たちの腕を頼りに生き抜いていく。

ストアページ上にはSteamゲームフェスティバルのバナーなどは表示されていないものの、本作のデモ版もイベント期間にあわせて再び配信中。2D+3Dによる怪しくも魅力的な近未来の世界と、スタンダードな2Dアクションによる戦闘が体験できる。本作のグラフィックはスクリーンショットやPVでも目を惹くが、ゲームプレイ中も当然同等のグラフィックが画面に展開されており、製品版への期待が高まる内容になっていた。なお今回のデモ版は、2020年12月に配信されていたものと同じであるそうだ。


『Lacuna』は、太陽系を揺るがす大事件に挑むSFノワールADVである。本作の舞台は、人類が他の惑星にも進出した未来。惑星ガーラとドロビアの間では、数世代の惑星間の関係にも影響を及ぼす重要な会談が行われていた。主人公ニール・コンラッドは、所属する部署がドロビアの外務大臣の警護を担当しているCDIの捜査官。重要な職務にあたる一方、ニール自身は娘との関わり方について元妻と言い争い、プライベートでも忙しい時間を送っていた。そんな中、殺人のニュースをきっかけに、ニールは大きな事件に巻き込まれていく。

本作では、ニールはさまざまな選択を迫られるという。家族と友人。公共の安全と愛する誰か。平和と真実。ストーリーはニールの行動によって分岐し、エンディングへと突き進む。タバコを燻らせ、終わりゆく空を見つめる、そんな展開もあるのかもしれない。なお、本作のデモ版は日本語に対応。テキスト量の多い作品であるものの、しっかりと日本語に翻訳されており、英語の語りとあわさって雰囲気のあるものになっていた。製品版に期待が持てそうだ。


『Kovox Pitch』は、ポストパンクなBGMにあわせて繰り出されるボールを撃つ、リズミカルバッティングゲームだ。対応するボタンが異なる赤と青のボール、連打や長押しで撃つ球、手前と奥に設置された2台のピッチングマシーンなどいくつかの要素はあるものの、音ゲーのプレイ経験があるなら迷わずプレイできるだろう。

デモ版では、チュートリアルとフリープレイが収録されており、数種類の楽曲がプレイ可能。また、アニメ風の少年がなぜボールを撃っているのかはわからないものの、彼が勢いよくバットをスイングする姿が確認できた。ストアページによると、Steam内の掲示板やDiscordなどでフィードバックを求めているそうだ。音ゲーとしてはシンプルなので、楽曲や演出次第だろう。


『Hoplegs』は、奇妙な四角い箱を操作する高難易度2Dアクションゲームだ。プレイヤーキャラクターである箱は、箱であるため自由に移動できない。代わりに、箱は4方向からそれぞれ足を出せるので、足を出してジャンプしたり、空中で壁を蹴ったりしながらコースを進んでいく。

一見シンプルな2Dアクションゲームに見えるが、傾きにより飛ぶ方向を制御するアクションと、4方向にボタンが割り振られた変わった操作により、慣れないうちは平地を進むのも難しい。クリアまでには、何度もステージを行ったり来たりすることだろう。ただし本作にはステージ制が採用されており、『Getting Over It with Bennett Foddy』など山を登っていくタイプの高難易度2Dアクションと比べると、クリアしやすくなっている。難しい2Dアクションを好むプレイヤーや、実況向けのネタを探しているプレイヤーには向いているかもしれない。


そのほか、『Little Nightmares II -リトルナイトメア2-』『Gal*Gun Returns』『Timberborn』『Despot’s Game』『Stay Out of the House』なども「Steamゲームフェスティバル」へ参加中。ほかにも、体験版が配信されているタイトルは多数あるので、この機会にストアページを覗いてみて、ウィッシュリストの肥やしを増やすのもいいかもしれない。

Steamゲームフェスティバル」は、2月10日3時まで開催されている。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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