『Call of Duty: Modern Warfare』オペレーターMARAが“パクり”だとして、Activision Blizzardが訴えられる。モデルも衣装もメイクさんも同じ

 

ライター/写真家/映像作家のClayton Haugen氏は2月2日、パブリッシャーのActivision Blizzardを著作権侵害で提訴した。同氏の訴えによれば、Activision BlizzardおよびInfinity Wardは『Call of Duty: Modern Warfare』において、Haugen氏の作品の登場人物と酷似したキャラクターを使用しているという。

争いの的となっているのは、2019年に『Call of Duty: Modern Warfare』に追加された女性オペレーター「MARA」だ。彼女はシーズン1開幕にともなうバトルパス導入で実装され、WARCOMに所属。15歳にしてCIAの要員となり、地元での秘密作戦やアメリカ特殊作戦部隊の訓練にも参加した敏腕のソルジャーであるとされている。このMARAが、Haugen氏の短編映画「November Renaissance」の主人公「Cade Janus」をもとに造形されたキャラクターだという。同作品は、人間の脳がコンピュータシステムと作用する近未来を描いたSF作品だ。Haugen氏は作品を多くの映画スタジオに売り込んでいたほか、写真を自身のウェブサイトおよびInstagramに投稿していた。Janusのモデルをスカウトしたのは2017年ごろだという。

訴えによるとActivision BlizzardはMARAの制作にあたり、Janusを演じたのと同じモデルAlex Zedra氏を起用。さらに「November Renaissance」の撮影時と同じメイクアップアーティストを雇用し、Janusと同じメイク・ヘアスタイルにするよう指示したという。衣装についてもHaugen氏の写真と同じものが提供されたほか、小道具とともにHaugen氏から借りることも検討されていたとのこと。スタジオの壁にはHaugen氏が撮影した写真がガイドラインとして貼られていたともされている。Haugen氏の主張によれば、Activision BlizzardおよびInfinity Wardは「著作権侵害を隠す」ための秘密保持契約に署名することをモデルとメイクアップアーティストに要求していたという。
 

左が「November Renaissance」よりCade Janus、右が『Call of Duty: Modern Warfare』よりMARA

 
訴状では、Activision Blizzard、Activision Publishing、Infinity Ward、およびActivision Blizzardが所有するeスポーツ団体Major League Gamingに対し、「被告の侵害に起因するすべての利益を含む、すべての金銭的救済」と法的費用を求めている。現在のところ本件に関し、Activision Blizzard・Infinity Wardからのコメントは出されていない。