個人ゲーム開発者のだらねこ氏は1月14日、『いのちのつかいかた』の体験版をPC向け(Steam/DLSite)に公開した。体験版は12月31日よりBOOTHにて先行公開されていたが、クラスの変更や3種類の難易度選択の追加など、フィードバックを元に更新が行われている。
『いのちのつかいかた』は、何かに憑かれた青年が弱肉強食の世を生きる、ゲームブック風マルチエンディングRPGだ。兎人の青年ゴーシュは、その日父の跡を継ぎ、新しい部族長になるはずだった。しかし、彼の住んでいた兎人の村は巨大な竜の襲撃を受けて炎上。燃え盛る炎の中、すべてを奪われたゴーシュは竜を憎み、復讐のための力が欲しいと願い何かに取り憑かれる。気づけば牢屋に入れられていた彼は、同じく牢に捕らえられていた兎人の技師ミーシャと共に、山賊のアジトからの脱出を目指すことに。弱肉強食の世を舞台に、力を手にした兎人の物語が描かれていく。なお、選択肢によって主人公の内面は変化するため、上記のストーリーは一例となる。製品版では、最終的な“いのちのつかいかた”によってEDが変化するそうだ。
兎人は本来ひ弱な種族だという。しかし、山賊のアジトで目覚めたゴーシュには、細い体躯に似合わない力が宿っており、他の種族とも対等以上に戦えるようだ。戦闘が始まると、1ターン3行動で時間が経過。ターン開始時に、3行動分のスキルを選択し、ゴーシュと相手が交互に行動していく。ターンの途中で行動を変えることはできないので、予め状況を見極めておく必要があるわけだ。
また、敵の攻撃は基本的にすべて回避できる。頭上にゲージと方向が表示されるので、タイミングよくボタンを入力すると、ノーダメージで敵の攻撃をやり過ごせる。少しタイミングがずれてもかすった程度に抑えられるが、方向を間違ったり、そもそも入力できなかったりした場合には手痛い一撃を食らってしまう。そのほか、相手の行動が強力になる怒り状態や、強力な分隙の大きな行動もある。リスク・リターンの駆け引きと緊張感のある戦闘が、本作の魅力の一つだろう。戦闘などで得たC.EXPを使って任意のステータスを伸ばすシステムや、それぞれ戦闘スタイルの異なるスキルが覚えられる5種類のクラスも用意されている。
山賊のアジト内は、マップ上に探索可能なポイントが設けられており、その場所を訪れるとイベントが発生する。イベントでは、その場所でどのように行動するか選択し、選択によって展開が変わる。たとえば、多数の敵が待ち構える広場に堂々と飛び出し、すべての敵を相手に正面から戦ってもいいし、姑息に爆弾で吹き飛ばしてもいいし、穏便にやり過ごそうと息を潜めてもいい。戦いを避けたとしても経験値はもらえるので、ロールプレイに徹することができる。
100面ダイスによって行動の成否が判定されるシーンや、強力な装備2つのうち片方だけ入手できる二者択一のイベント、コミカルな一幕などもあり。戦闘やイベントの結果ゲームオーバーになってしまっても、リトライ回数を使い切るまでイベント前からやり直せる親切な仕組みも用意されている。なおダンジョン探索システムは、傑作フリーゲーム『Ruina』を参考にしているという。プレイしていても『Ruina』の影響は色濃く感じられるが、システムだけでなく地の文も雰囲気のあるものに仕上げられており、特にイベントシーンはゲームブックやTRPGのような感覚でプレイできた。
『いのちのつかいかた』体験版は、PC向け(Steam/DLSite/BOOTH)に無料公開中。開発者のだらねこ氏は、体験版の感想を元に製品版を作っていくといい、プレイ後の感想も求められている。また、パブリッシャーも現在募集中であるそうだ。