森林散策ADV『Sunlight』1月15日発売へ。悪夢系スタジオが贈る、優しさに満ちた水彩画の世界

インディースタジオのKrillbite Studioは1月5日、3Dアドベンチャー『Sunlight』を1月15日に発売すると発表した。『Sunlight』は美しい森の中を歩く散策ゲーム。

インディースタジオのKrillbite Studioは1月5日、3Dアドベンチャー『Sunlight』を1月14日(日本時間1月15日)に発売すると発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、価格は4ドル(約415円)で販売されることが報じられている。プレイ時間は30分程度の短編作品となるようだ。本作は、美しい森の中を歩く散策ゲーム。プレイヤーは声をもって語りかけてくる木々に誘われ、森の奥へと導かれることとなる。生い茂る1本1本の木には個性が与えられており、異なる声で語りかけてくるほか、性別や方言までバリエーションがあるという。
 

 
特筆すべきは、独特のアートスタイルだ。一見したところ2次元の水彩画のように見えるが、映像を見ると奥行きのある空間として成立している。この不思議な3Dワールドを生み出したのは「Quill」と呼ばれるソフトウェア。Oculus Rift向けに配信されているVRソフトで、バーチャル空間を使い奥行きのある絵を描くことができるVRペイントソフトだ。『Sunlight』の手描き風のビジュアルも、まさしく3D空間にそのままハンドペイントすることで作り出されているとのこと。バックミュージックに流れるのはチャイコフスキーのクラシックで、ノルウェーの大司教宮殿にて生録音された。受賞歴のある室内合唱団Kammerkoret Aurumの歌声も添えられ、世界観にさらなる広がりを見せている。

優しさに包まれた作風の『Sunlight』だが、開発元のKrillbite Studioとしては新たなスタイルの作品といえる。同スタジオの代表作といえば、小さな子どもとなって悪夢のような真夜中をさまよう一人称視点ホラー『Among the Sleep』がよく知られる。また2019年にリリースした『Mosaic』はディストピア風の現実社会とシュルレアリズムが織り交ぜられた独特の物語を展開していた(関連記事)。ダークな空気から一転、温かみを前面に押し出した本作は、Krillbite Studioの作品を追いかけてきた人にとっては意外なチャレンジともいえる。濃密な世界観を構築するノウハウが、新たな挑戦作でどのように活かされているか注目したいところだ。
 

 
『Sunlight』は1月15日、SteamにてPC向けに配信開始を予定している。

Yuki Kurosawa
Yuki Kurosawa

生存力の低いのらくら雰囲気系ゲーマーです。熾烈なスコアアタックや撃ち合いを競う作品でも、そのキャラが今朝なに食ってきたかが気になります。

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