『サイバーパンク2077』開発元、自称内通者のリークを否定。カットしたコンテンツの内容など、それらしい情報が広まりつつあった

 

CD PROJEKT REDは1月7日、海外フォーラムサイトやメディアで広まりつつあった、自称内通者による『サイバーパンク2077』に関するリーク情報の内容を否定した。このように企業が出所不明の噂やリーク情報に反応することは珍しい。今回は自称リークの内容を「そうであってもおかしくない」と信じる人が多かったのか、速いペースで拡散されつつあった。混乱を招く前に手を打ったのだろう。


自称内通者情報は、もともとGameFAQsに投稿されたもの。投稿自体は昨年12月15日とやや古いが、今年に入ってからredditや海外ニュースサイトなど、さまざまな場所で取り上げられるようになった。発売から1か月が経ち、ゲームをプレイした人が増え、記載内容に納得する人が増えたという事情もあるだろう。

その内容は、開発状況に怒りを抱いたという自称内通者が、CD PROJEKT RED開発チームの現状や、ゲームの今後の計画を伝えるというものだ。トラブル続きとなったゲームのローンチを踏まえ、開発陣は『No Man’s Sky』のような巻き返しを目指していると言及。本来開発チームが目指していたレベルに到達するのは2021年6月ごろだろうと述べている。また開発チームのモラルが大幅に低下し、主要メンバーの離脱が予定されていることや、返金リクエストの多さにソニーから非難されているとも記している。


製品版からカットされたとのコンテンツにも言及しており、例としてマップ中にあるロックされた扉のほとんどは、本来入れる予定の場所だったと伝えている。そのほかにも、5万行相当のダイアログをボツにしたことなど、いくつか事例を列挙し、2021年6月の大型アップデートでそれらがゲームに実装されるだろうと述べた。この自称内通者によると、開発段階で予定されていたコンテンツとして、広大な地下エリアがあったという。ジョニー・シルヴァーハンドに関しては、当初デヴィッド・へイター氏が演じた『メタルギアソリッド』シリーズのソリッド・スネークから影響を受けたキャラクターになる予定であり、キアヌ・リーブス氏ではなくキリアン・マーフィー氏を起用する計画があったと述べている。

匿名での記述とはいえ、言葉づかいが乱暴かつ幼稚な部分があり、しっかり読んでみると信ぴょう性の高い文章とは思えない。ただ、大量のコンテンツがカットされたという言及。そしてソニーから詰められているという、返金対応に関連した記述内容から、それらしい情報だと感じた方がそれなりにいたのだろう。事実かどうかの議論とは別途、『サイバーパンク2077』のローンチ時の状態に落胆したプレイヤーが、フラストレーションをぶつけるきっかけとして当投稿が使われている節もある。そうした複合的な事情があって注目を浴び、CD PROJEKT REDによる記載内容の否定へとつながっていったのだろう。

*1月5日に公開された、『サイバーパンク2077』レイトレーシングオンのシネマティックトレイラー

『サイバーパンク2077』は、主にコンソール版における不安定なパフォーマンスや不具合の多さから批判を浴び、コンソール版の返金対応や、PS4ダウンロード版の一時ストア削除といった事態へと発展。昨年12月末には、米法律事務所が投資家を代表しての集団訴訟訴状を提出したとも報じられた(関連記事)。なお訴状を提出しただけであって、クラス・アクションとして成立するかどうかはまだ未定。CD PROJEKT側は、そうした訴えから自社を守るべく、断固として争っていく意向であると伝えている

『サイバーパンク2077』は発売後、重大な問題を優先的に直していくホットフィックスをいくつか配信。1月と2月には大型アップデートの配信が計画されている。2021年初頭の配信を予定している無料DLCの公式ページもオープン済みだ。