『サイバーパンク2077』米法律事務所が集団訴訟の訴状提出。投資家に対する誤認表示があったと主張する

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米国の法律事務所Rosen Law Firmは12月24日、CD PROJEKTを相手取る集団訴訟(クラス・アクション)の訴状を米国カリフォルニア州中央部地区連邦地方裁判所に提出した(Business Wire)。CD PROJEKTが投資家に向けて発信した『サイバーパンク2077』関連情報に誤認表示があったと、連邦証券取引所法違反を争う内容になっている。まだ訴状(PDFリンク)を提出した段階であり、クラス・アクションとして成立するかどうかの可否判断・認証はされていない(原告代表の名義も定まっていない)。そのため事実審理へと突入するかどうかは、まだ分からない状態である。先述したように、消費者ではなく投資家を代表しての訴訟である。

Rosen Law Firmは、PS4/Xbox One版『サイバーパンク2077』について、バグが多くまともにプレイできない状態であるにも関わらず、CD PROJEKTは投資家向けに十分な情報を開示しなかったと主張。にCD PROJEKTが2020年1月の時点で「ゲームは完成していてプレイ可能な状態」と発信したことに言及している。同年4月には、同作が発売延期を発表した理由について、「消費者が最高品質の製品を手にできるよう、プレイテスト、バグ修正、ゲームの磨き上げに追加の時間を要するため」とCD PROJEKTが説明していた点も指摘した。


さらに10月の投資家向けカンファレンス・コールにて、CD PROJEKTのCEOであるAdam Kiciński氏がPS4/Xbox One版の状態について、最適化が必要なだけで「何も問題ない」と投資家に伝えていたことも問題視。ほかにも「全プラットフォームにて優れたパフォーマンスを発揮する」「バグはあるものの、ゲーマーが気づかないほど少ない見通し」など、投資家に向けて『サイバーパンク2077』は問題ない状態だと繰り返し発信していたことを指摘している。投資家がCD PROJEKTから受け取ったのは、『サイバーパンク2077』が万全の状態で発売されるという情報ばかりであった。なおKiciński氏は12月、ゲームが発売されたのち、PS4/Xbox One用にゲームを最適化するには追加の時間が必要であるとの兆候を無視してしまったと投資家に向けて認めている。

十分な情報を開示しなかった結果、CD PROJEKTの市場価値は人為的に上昇。その人為的に価値が高められた株式類を、企業からの誤った情報に基づき購入した者たちが損失を被ることになったと、訴状にて記されている。『サイバーパンク2077』が発売され、コンソール版を巡る各種問題が事後的に浮上したことで生じた損失だ。事実、ゲームの発売以降CD PROJEKTの株価は大きく下落していった(※12月22日に「推定売上本数1300万本」と発表されてからは、回復の兆しが見える)。


金銭的なロスだけでなく、CD PROJEKTは『サイバーパンク2077』の返金対応に追われることになり、PlayStation Storeからの一時削除という異例の対応含め、企業としての評判も落とすことになったと指摘。これらの状況を踏まえ、CD PROJEKTがゲームの発売前に発信した情報には、投資家に誤認を与える内容、もしくは合理的な根拠が不足した内容が含まれていたとみなせると主張している。それらが意図的に行われたものかどうかも争点のひとつとなる。なお本訴状にて損害賠償金額は明かされていない。

『サイバーパンク2077』のコンソール版の状態に関しては、事前の情報公開が少なく、発売されるまでほぼ未知数の状態であった。そしていざ発売されると、バグの多さやパフォーマンスの低さが指摘されるようになり、CD PROJEKTが謝罪文を掲載。PS4/Xbox One版の返金リクエストに応じることとなった。先述したように、PS4ダウンロード版に関してはPlayStation Storeから一時削除されている。そうした状況を受けてCD PROJEKTの株価は低下。つい先日には、今回訴状を提出したRosen Law Firmとは別の法律事務所Wolf Haldenstein Adler Freeman & Herz LLPが集団訴訟に向けた調査を進めていると報じられていた(関連記事)。


そちらはあくまで調査段階であったが、今回のRosen Law Firmは訴状提出までことを進めている。先述したように、あくまで訴状を提出した段階であって、クラス・アクションとして認証されるまで事実審理は始まらない。とはいえ、法律事務所が勝算ありと見越して動き出していることは間違いないだろう。ちなみにThe New York Timesは、ポーランドの法律事務所も訴訟に向けて準備していると報じている。ただし、こちらはソース元(Bankier.pl)に記載されている担当弁護士の連絡先が本物かどうか疑わしい状態である。

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元・日本版AUTOMATONニュース担当編集員。現在は主に英語版のAUTOMATONを担当。