『サイバーパンク2077』について、一部キャラクターとのロマンスにおける未使用のコンテンツがMod開発者により発見されたようだ。その内容とは、本来であれば見ることのできないロマンスシーン。また、それに対し、開発元のCD PROJEKTがコメントを寄せている。
※以下、『サイバーパンク2077』に関するネタバレを含む記述あり。特定のゲーム内コンテンツについての詳細な内容を記載しているため、読み進める際は注意して頂きたい。
今回Mod開発者によって掘り出された未使用のコンテンツ。それは、本来は実現できないジュディ・アルヴァレスと男性V(主人公)とのロマンスシーンだ。ジュディはモックスに所属する、天才ブレインダンスエディター。負けん気な性格の持ち主であり、それゆえに誰かと衝突することもしばしば。一方で、その芯の強さが彼女の大きな魅力でもある。ストーリーの序盤から出会うこととなり、依頼を請け負ったVを手助けしてくれる。
そんなジュディであるが、ゲームを進め方次第で恋愛関係になることも可能。濃厚なロマンスシーンも用意されており、互いに一糸まとわぬ姿で体を重ね合わせることもできる。ただし、条件付き。ジュディと愛を深め合うには、特定の会話を選択すること。そして、Vが身体・音声ともに女性でなければならない。つまり、男性Vはどうあがいてもジュディを口説けない。そんな中、本来は発生しないはずの男性Vとジュディとの情事が発見されたわけだ。
掘り出された該当のシーンは、YouTubeやReddit上にキャプチャー動画として投稿されている。動画に映る『サイバーパンク2077』は英語字幕・音声のもの。ジュディとの恋愛ムードが最高潮に達する場面であるが、なんと会話をしているのは男性V。その音声はさることながら、時おり映る手の骨格や体型を見ても男性Vであることが分かる。さらに興味深いことに事後に語らいあうシーンでは、男性V固有のものと思わしきセリフも。なお、該当の映像には性的な表現が含まれているので注意。確認したい方はこちらのリンクなどから視聴可能だ。
前述のように、男性Vの音声・身体でジュディとロマンスに発展していること。そして、女性Vには用意されていないセリフが見られることなどから、今回の映像はコミュニティ内を騒がせた。中でも多く寄せられたのは、動画に映るのはカットコンテンツではないかとの声だ。つまり、男性Vとジュディは開発段階では恋仲の関係になることができた。それが何らかの理由で製品版には実装されなかったのではないかと、推測されていたわけだ。これに対し、海外メディアEurogamerに向けて開発元のCD PROJEKTがコメントを寄せている。
結論から述べると、CD PROJEKT曰く、今回発見された男性Vとジュディのロマンスシーンはカットコンテンツではないようだ。ジュディの恋愛対象は開発段階から女性Vのみと決まっていたようで、男性用のセリフを収録したのは開発上の利便性を考慮したためだという。開発中の仕様変更にも柔軟に対応できるよう、『サイバーパンク2077』のセリフについてはすべて男性・女性の両方の音声で収録したとのこと。今回のジュディとのロマンスにおける男性Vのセリフも、そうした制作方針の中で念のために収録されたものなのだろう。
結果的にジュディと男性Vのロマンスは途中でカットされたものではなく、万が一に備えて収録されたものであったことが明らかになった。これは裏を返せば、男性Vとジュディの恋は最初から叶わぬものとして設定されていたということ。この事実は男性Vとしてジュディに好意を抱くプレイヤーにとって、何とも残酷な結果になったかもしれない。一方、男性Vだからこそ親密な関係を築けるキャラクターも存在する。片思いか相思相愛か。2077年のナイトシティにおいても恋愛模様は街と同様に複雑であり、多様なものなのだろう。
ちなみに『サイバーパンク2077』においては、三人称視点での操作を可能にするものも含め、すでにさまざまなModが開発・配布されている。今後も本作のMod文化が栄えていく中で、今回のような未使用コンテンツがさらに掘り出されていくのか、注目していきたい。