「PS5 どこで買える」が「トイレットペーパー どこで買える」の検索回数を上回る。Google発表のトレンドランキングで、アメリカや日本の一大事を振り返る
Googleは12月9日、「Year in Search: 検索で振り返る 2020」を発表。今年1年、世界中で検索されたさまざまなワードに関するランキングを振り返ることができるようになった。各国とも、やはり検索上位に上がってくるのは「新型コロナウイルス」「マスク」など感染症対策にまつわるワード。そんな中、ユニークな結果が見られたのがアメリカだ。コロナ禍や大統領選挙にまつわる検索がひしめく中、注目したいのは「Where to ○○(どこで〜できるか)」という検索ワードの部門。第3位が「マスク どこで買える」、第2位が「トイレットペーパー どこで買える」だったのに対し、堂々の第1位を勝ち取ったワードは「PS5 どこで買える」。PlayStation 5にまつわる検索数が、非常事態の検索数に打ち勝ったのである。
今年3月ごろ、アメリカでは消費者によるトイレットペーパーの買い占めが社会問題化していた。新型コロナウイルス感染拡大による外出規制・自宅謹慎の長期化を恐れ、生活必需品を備蓄しようと恐慌状態に陥る購買者が続出。各地のスーパーマーケットでトイレットペーパーの在庫が底を尽き、入手困難な状況が続いていたのだ。現実社会における消費者たちの不安を皮肉って、『Fallout 76』ではアイテムの「トイレットペーパー」流通価格が暴騰するという奇妙な一幕もあった(関連記事)。生活必需品の品薄は社会全体で共通の不安だったといえるだろう。トイレットペーパーにまつわる検索数は3月下旬にピークを迎え、4月にかけて穏やかになっていく。
翻ってPlayStation 5はというと、11月の発売以来いまだ世界中で幻の存在として名高い。米国でも事情は変わらず、どの店に行っても手に入らないとの悲鳴が響いている。品薄の原因のひとつが、転売業者による悪質な買い占め行為だ。アメリカでは22歳の若者が221台のコンソールを確保し、価格を釣り上げて販売することで4万ドル(約417万円)もの収入を得ているとのニュースも流れた(関連記事)。ゲーマーの憧れの的とはいえ、米国社会でPS5を買い求める客層はトイレットペーパーよりも圧倒的に狭いはず。それでも検索数が上回るということは、PS5がもたらす渇望は生理的な不安をも上回る飢えなのかもしれない。ちなみに「Xbox Series X どこで買える」は4位、「Nintendo Switch どこで買える」は7位にランクインした。
アメリカについてはゲーム関連ワードに特化したランキングも発表されている。トップには『Fall Guys』『VALORANT』『ゴースト・オブ・ツシマ』など2020年を代表する作品がラインナップ。検索数の推移を観察すると、いずれも発売週に急激な検索数増加を迎え、徐々に落ち着いていく傾向のグラフとなっている。そんな中興味深いのはゲーム部門検索数1位の『Among Us』だろう。9月下旬と10月下旬に2度のピークを見たのち、現在も高い検索数を誇っている。同作のSteamにおける同時接続プレイヤー数はいまだ7万人近くを誇り、同接数ランキングでも上位をキープしている。12月11日のThe Game Awards 2020では新マップのお披露目も控えているということで、まだまだ盛り上がりを見せていきそうだ。
日本のランキングも気になるところだろう。「緊急事態宣言」や「東京アラート」といったきな臭い単語が並ぶ中、「鬼滅の刃」などエンタメ系ワードもちらほら見られる。急上昇ランキングで健闘を見せたのは、5位にランクインした『あつまれ どうぶつの森(あつ 森)』だ。3月から5月にかけて長期的なピークを維持したのち、1年を通じて高い検索数を誇っている。関連キーワードとしては「マイデザイン」「カブ」「住民」などが併せて検索されており、コーディネートのアイデアや攻略情報を求めるプレイヤーの多さがうかがえる。都道府県別の検索数だと、なぜか埼玉県がトップで本作の情報を求めていたようだ。別部門にて、「○○ 方法」という文言のランキングでも「あつまれ どうぶつの森 アップデート 方法」がトップ5入り。給付金申請やZoom会議に戸惑う人々がひしめく中で、コンテンツに飢えたユーザーたちが活力を見せた。
各国の「Year in Search: 検索で振り返る 2020」はこちらからチェックが可能だ。