実在的不安と向きあう男たちのADV『世界滅亡共有幻想マミヤ』Steam版が2021年春発売予定。友人の死をきっかけに、共通の幻想マミヤに囚われていく

 

主に国産同人タイトルの翻訳を手がけるフィンランドのパブリッシャーFruitbat Factoryは、『世界滅亡共有幻想マミヤ(MAMIYA)』Steam版を2021年春に発売すると発表した。Steam版は、同作に英語翻訳を追加したもの。『世界滅亡共有幻想マミヤ』は、シリーズ2作目までを収録したダウンロード版がBoothで配信されているほか、公式サイトなどでは体験版も公開されている。

『世界滅亡共有幻想マミヤ』は、ココロテン氏による同人ゲームサークルけんこうランドが開発中の、実存的不安を抱えた若者たちのノベルADVである。本作のメインキャラクターの一人・森近春樹は、自堕落な青年だ。森近は、日中はパチンコで時間を潰し、夜は複数の女の家を転々とするヒモ生活を送っていた。友人の夏目が死に、葬式が終わっても彼の基本的なスタンスは変わらない。

ただ、ちょっとしたきっかけから死んだ夏目の携帯へ電話をかけてみたところ、思いがけず通話が繋がり、夏目の携帯を預かっていたというメイド・みーなと出会う。森近と異なり、夏目の死を受け止めきれずにいるみーな。森近は、夏目の死についてみーなと共に調べるうち、交流を深め、自身の問題と向き合うことに。また、マミヤを自称するナース姿の少女が森近の前に登場。いつしか心の拠り所となった彼女の言動が森近に影響を与え、終局へと向かっていく。


1作目となるFallDown編では、森近以外に3人の男子高校生がメインキャラクターとして登場。友人の夏目を亡くした4人の男たちが、マミヤを自称する謎の人物と出会い、それぞれの問題と直面する。1作目においては、世界観は同じであるもののいわゆる共通ルートはほとんどなく、それぞれの視点から異なるストーリーが展開。同じような特徴を持つものの、容姿の異なるマミヤの謎も本作も魅力だろう。また、2作目のDownFall編では、新しいキャラクターによる異なる時間軸の物語や、4人とは異なる視点からの物語などが描かれていく。


本作を開発しているのは、前述のとおりココロテン氏による同人ゲームサークルけんこうランドだ。同サークルでは、本作以外に幽霊に恋をする少年愛ADV『レムレスブルーの午前2時』もフリーゲームとして公開中。また、pixivFANBOXでは本作の開発状況が報告されているほか、支援者向けとして12月にベータ版が配信予定とされている。

『世界滅亡共有幻想マミヤ』Steam版は、2021年春発売予定。同作の日本語版は、シリーズ2作目DownFall編までを収録したダウンロード版がBoothにて1200円で配信中。完全版は5月に頒布予定だ。


なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。