『天穂のサクナヒメ』防病/防草/防虫効果の仕様修正や、酢に防病効果が追加されるなどアップデート実施。稲作要素が少し現実に近づく
国内の同人ゲームサークルえーでるわいすは11月24日、『天穂のサクナヒメ』Steam版にてアップデートを配信した。同アップデートでは、塩/出汁/醤油を使った卵焼きへの対応や、鍛冶と機織りの作成制限の修正といったゲームプレイに関連するものから、PC環境用の設定追加まで更新が行われている。
本作では、リリース以降アップデートが続けられているが、本稿ではこれまで配信されてきたアップデート内容からかいつまんで紹介しよう。なお、現在PlayStation 4版は防病/防草/防虫効果や登鯉が調整されたバージョン1.05、Nintendo Switch版はバージョン1.02となっている。PlayStation 4/Nintendo Switch版にも、ハードに依存しない修正は順次反映される予定だ。
『天穂のサクナヒメ』は、鬼退治と稲作の日々に明け暮れる稲作アクションRPGである。主人公のサクナヒメは、豊穣神と武神を両親に持つ一柱の神。両親の残した財産と名声を背景に、サクナヒメは神の都でぐうたらな日々を過ごしていたのだが、あるきっかけから主神への献上物を台無しにしてしまう。主神カムヒツキから、罰として鬼島の調査を命じられたサクナヒメは、騒動のきっかけとなった人間たちと共に鬼島へ渡ることに。空腹を満たすため稲を育て、勅命を果たすため島を調査し、稲作と成長の物語が描かれる。
鬼島の探索中には、自由に技を設定し、敵に敵をぶつけて戦う爽快なアクションパートが繰り広げられるが、SNS上など話題となっているとおり本格的な稲作パートも用意されている。稲作パートは、種籾選別や田起こしから始まり、田植え、収穫までを行っていくもの。水量や気温、天候、虫、病気、葉肥・穂肥・根肥の3種類で構成する肥料、塩害や合鴨農法といった多くの要素があり、プレイヤーの発想にも応えてくれる奥深さを備えている。Steam版では、11月21日に修正された「肥料の防病、防草、防虫の仕様修正」も、そんな稲作に関連するものだ。
本作では、田んぼに発生する病気/雑草/虫に対して、肥料に薬や塩などを混ぜ、防病/防草/防虫効果の発生した肥料を撒くことで、それらを抑制することができる。病気や雑草の発生には理由があり、肥料以外にも対処方法は用意されているものの、肥料での対応はわかりやすく、より品質の高い米を育てるためにプレイヤーから利用されてきた。しかし、防病/防草/防虫のある肥料を田んぼに撒いても効果が発揮されていない可能性があり、調査の結果、肥溜めでの熟成中に防病/防草/防虫が発揮されているのではないかとプレイヤー間では考えられていた。
Steam版では11月21日(PlayStation 4版では11月24日)に配信された「肥料の防病、防草、防虫の仕様修正 」は、肥溜め内の防病/防草/防虫効果を参照していた仕様を修正するもの。パッチ適用後は、撒いた肥料の効果が発揮されるように修正されているようだ。稲作関連ではほかに、酢が防病効果を持つように変更されている(Steam版11月24日)。農林水産省の資料では、食酢には種子消毒用の殺菌剤として、稲のもみ枯細菌病、ばか苗病、ごま葉枯病に対する効果があるとされている。詳細は不明ながら、酢への防病効果の追加には、現実における酢の仕様が背景にあるのかもしれない。
また、Steam版の11月24日のアップデートでは、砂糖以外のものを使った卵焼きのレシピが追加された。効果は砂糖を使ったものと同じように見えるが、砂糖1個の代わりに、塩/出汁/醤油をそれぞれ1個使った卵焼きが作れるようになっている。えーでるわいすのなる氏は、11月21日のツイートで、緊急性の高い不具合はひとまず対処したと語っている。一度リリースした以上大きく変えたくはないとコメントしつつも、反応を見て修正を考えているといい、酢や卵焼きといった細かな要素の修正も反応を踏まえた対応なのだろう。
・PC版アップデート履歴
・PS4版アップデート情報(マーベラス公式ブログ)
・Nintendo Swtich版アップデート情報(マーベラス公式ブログ)
稲作アクションRPG『天穂のサクナヒメ』は、PlayStation 4/Nintendo Switch/Steam向けに配信中だ。