PS5『Demon’s Souls』のスピードラン、20分を切る。「誤転送」技でオリジナル版記録の半分以下、「運の爆上げ」併用なら11分台の崩壊ぶり

PS5『Demon’s Souls(デモンズソウル)』のスピードラン、20分を切る。「誤転送」技でオリジナル版『Demon’s Souls(デモンズソウル)』スピードラン記録の半分以下、「運の爆上げ」併用なら11分台の崩壊ぶり。

PS5『Demon’s Souls(デモンズソウル)』のスピードラン記録が20分を切った。オリジナル版でのAny%記録40分35秒(Speedrun.com)の半分以下という驚異的なタイムだ。まだ最適ルートを模索する段階ながら、オフラインプレイにて19分(ゲーム内時間)の記録が出ており、今後さらなる時間短縮が図られる見込みだ。記録達成者は、有名スピードラン走者のDistortion2氏。新たに発見されたグリッチによって、オリジナル版の記録をあっさりと塗り替えていった。

※以下はPS5『Demon’s Souls』のスピードラン映像につき、ゲームのネタバレを避けたい方は注意


記録更新のカギとなったのは、新たに発見された要石の誤転送グリッチである。たとえばボーレタリア王城4から、転送先としてストーンファング坑道1を選択。ローディングが終わる直前にゲームを終了する。その後、ゲームを起動し直し、先ほどのゲームデータをロードする。通常どおりストーンファング坑道1の要石から始まるのだが、そのまま死亡すると、復活時にはなぜかストーンファング坑道の4つ目の要石からスタートする。アンロックしていない要石へと転送できてしまうのだ。最後の転送地点が「ステージの4つ目の要石」であるというデータが残ってしまうのだろう。例に出したステージ以外でも、同様のグリッチを活用できる。

この現象はつまり、どれかひとつのステージを最後まで進めさえすれば、他のステージは最後のボス戦まで丸ごとスキップできるということを意味する。同作のコミュニティ内では、誤転送されるという報告自体はあがっていたが、その原理は最近になるまで解明されていなかった。なぜ誤転送が発生するのか、先述したDistortion2氏が調査し、そのままスピードランの技として組み込んでいったのだ。19分の記録を出したスピードランでは、この誤転送グリッチをフル活用。ゲームを終了しては起動、わざと死んでは復活するという行動を繰り返しながら進めていく、異質のスピードラン映像となった。

どれかひとつのステージは最後までクリアせねばならず、今回のランではストーンファング坑道をフル攻略の対象として選んでいる。グリッチを使ってストーンファング坑道の2つ目の要石に転送すれば、タカアシ鎧蜘蛛の背後にまわった状態で戦闘を開始できるため、大きな苦労なくあっさりと倒せる。続く炎に潜むもの戦はダガー片手に、竜の神戦は竜骨砕きを担いで攻略。その後は各ステージの最後のボスだけ倒していく。普通であればボス討伐後にアンロックされる要石に転送していくため、いくつかのボス戦では挙動がおかしくなり、一方的に攻撃して倒せてしまうことも。老王オーラントの棒立ちっぷりはシュールである。

オフラインプレイでの記録 19分
金貨による運爆上げグリッチを使った記録 11分45秒

11月24日時点でゲーム内の殿堂エリアを確認すると、「初周を速く完遂した者」ランキングにてDistortion2氏(Dist_2)の19分が3位に入っていることがわかる。なぜ3位なのかというと、もうひとつのゲーム崩壊級グリッチである「運の爆上げ」を使えばさらに速く攻略できるからだ。金貨を使ったグリッチによって運を数万にまで増やし、運のステータスによって攻撃力が上昇するブルーブラッドソードを装備することで、あらゆる敵を瞬殺可能。11月24日時点でのランキング2位は、誤転送と運の爆上げグリッチを使ったClapp氏による16分16秒(ソウルレベル999、運10,067)。1位はDistortion2氏が同じく誤転送と運の爆上げグリッチを併用して出した11分45秒である(ソウルレベル999、運6515)。同作のスピードランは、完全に崩壊しているのである。


あまりに影響の大きいグリッチであるがゆえに、今後のアップデートにて修正されるだろうとDistortion2氏は予想している。スピードランとしては、これらのゲーム崩壊級グリッチを使うか使わないかでカテゴリが分けられるだろうともコメント。Distortion2氏としても、この条件下でのスピードランにはそこまで力を入れていかないと、配信中に述べている。

同氏は先日、塔のラトリア2をほぼ丸ごとスキップするグリッチを見つけていたが(関連記事)、もはや塔のラトリア2を訪れる必要すらない状態。なお同氏は先日、リメイク版で追加された隠し扉を最初に開けた人物としても話題となった(関連記事)。スピードランでも謎解きでも最前線を走り続けるDistortion2氏が、どこまでタイムを縮めていくのか注目が集まる。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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