『Apex Legends』開発者があのバグこのバグに返答。オクタンの「超ジャンプ不可」は直るのか、あえて放置されているバグは“仕様”なのか
『Apex Legends』開発陣と海外コミュニティの間では、バグ報告を含め常に緊密なコミュニケーションが取られている。海外掲示板Redditの『Apex Legends』板では、公認の「Developerバッジ」をつけた開発者が頻繁にスレッドへ参加。ファンアートへの称賛を直接送るフランクな一面や、厳しい批判をダイレクトに受け止めるシリアスな場面も見られる。何よりのメリットは、ユーザーからの不具合報告を最速でやりとりできることだ。
シーズン7が開幕して半月ほど経ったとはいえ、やはり新要素の数々にバグはつきもの。ここ数日、国内ユーザーとしても気になっているであろうバグに関していくつか開発者からの反応が寄せられている。それぞれの不具合がどのように対処されていくのか、まとめてチェックしていこう。
オクタンの超ジャンプ不能バグ
オクタンのジャンプパッドを使った大ジャンプが不可能となっているバグは、現在改修中のようだ。アルティメットアビリティで彼が取り出すジャンプパッドは、踏むことで大きく跳躍することができる。通常では届かない高度の位置に登ることができ、空中でキーを入力することでダブルジャンプも可能……というのが基本的な性能だ。一方、オクタン使いの間でよく知られた小技も存在していた。「ジャンプパッドを踏む瞬間にジャンプキーを入力すると、超ジャンプが可能になる」というテクニックだ。通常のジャンプの1.5倍程度の高度まで到達することができ、ポジション取りなどさまざまな場所で活用されてきた。
ところがシーズン7にて、この超ジャンプが使用不可能となってしまったのだ。当初はサイレントナーフかと噂されていたが、のちに開発者より“アクシデント的な修正”だったと説明があった。本件を受けて、デザイナーのDaniel Zenon Klein氏はジャンプパッドの改修について提案。パッドを使用する際、入力がなくとも常に超ジャンプ同様の跳躍力を発揮できる仕様に変更する意向を示した。この修正についてはしばらくテストプレイが必要とされていたが、11月19日時点の書き込みでは次回パッチ(おそらく来年1月)にて実装されるだろうとの見込みが示された。ふたたびハイになったオクタンが見られる日も近そうだ。
ジブラルタルのパッシブで銃撃判定が入らないバグ
防御特化のレジェンドであるジブラルタルは、ADS中にガンシールドを展開するパッシブスキルを発動できる。しかしあるユーザーによれば、ジブラルタルで銃撃した瞬間にADSを外すと、確実に当たっているはずの狙撃に判定が入らないというバグが発見されている。こちらに関しては武器担当のAmusedApricotことDavid Bocek氏が関心を示しており、より情報を必要としているようだ。「周囲のプレイヤーに弾丸は見えているか」「弾丸はきちんと当たっているか」など詳細を求めている。
なお「開発者なら自分で調べればいいのでは」と意地悪をいうユーザーもいたが、どうやら本バグは開発チームでは再現性がないようだ。一方、他のユーザーからも同様の事例が報告されているため、投稿者の環境に依存しない不具合であることは確かな様子。今後の調査が待たれる案件のひとつだ。
ディヴォーションの猛烈なリコイルバグ(?)
レジェンドだけでなく、武器に関する不具合も報告が上がっている。今回取り沙汰されたのはエネルギー武器のLMG、ディヴォーションだ。撃ち続けると「くの字」型の特徴的なリコイルを描き、癖のある反動ながら慣れれば独特の扱いやすさがある武器、だった。投稿者の映像を見てみると、撃ち続ければ撃ち続けるほど銃口が上昇。それどころかレジェンドが銃身そのものを持ち上げるかたちとなり、どんどん上を向いていってしまう。最終的には画面下部にローバのバストまで映り込んでしまうシュールな絵面となり、背骨の骨折は免れない。
ただし、意外にもこちらの不具合について開発者側は冷静なようだ。Bocek氏のコメントによれば、ディヴォーションはそもそも最初の数発の反動が非常に大きく設定されている。そのため、細かくトリガーを引くタップ撃ちをおこなうと最大値のリコイルが連続するため、猛烈に銃身が上を向いてしまう仕様になっているという。本件についてはすでにチームは把握済みだったものの、「ディヴォーションらしさを損なうほどの不具合」ではなかったためそのままにしてあるとのこと。バグか仕様かは際どいところだが、ディヴォーションに関しては当分この特性が残されそうだ。
ランパートの車載シーラでクラッシュバグ
最後に、直近の不具合としてはオリンパスのトライデントとランパートにまつわるバグが挙げられるだろう。新マップの移動手段として実装された新要素、トライデント。3人乗りのビークルで、チームで乗り込めば一気にマップを移動可能。ロードキルは不可能だが、代わりにコースティックの毒ガスやジブラルタルのドームシールドなど各種アビリティのオブジェクトを設置可能。わざわざヒールドローンがすっぽりハマるデザインにしてある(参考)など、各レジェンドのアビリティと組み合わせて戦術を生み出せる新兵器となっていた。
そうなると誰しも夢見るのが、ランパートのミニガンを載せた「走行タレット車」である。「空飛ぶシーラ」についてはバグとして修正されてしまったものの(関連記事)、シーラを車載して機銃掃射しながら爆走する光景は誰もが思い描くロマンだろう。ところが本件に関して罠があった。トライデントにシーラを載せるとゲームがクラッシュしてしまう案件が報告されたのだ。この不具合に対しては公式も即座に対応。Twitterにて告知したとおり、一時的にシーラだけトライデントに積載することが不可能になる措置をとっている。何かとエラー落ちに縁深いランパートだが、バグが解決されるまでしばしの辛抱になりそうだ。
ときにシビアな議論が交わされることもあるものの、ユーザー・開発者間の距離感が近いことでバグ修正の透明性が高く保たれているのが『Apex Legends』の特徴ともいえるだろう。不具合との戦いに終わりはないが、コミュニティとの連携を密に取りながら安定した運営を目指してほしいところだ。