Electronic Arts(以下、EA)は11月12日、サッカーゲーム『FIFA 21』の最新パッチノートを公開した。その中で明かされた新機能が「FIFAプレイ時間」と呼ばれるツールだ。「プレイヤーが自身のプレイを可視化し、よりコントロールしやすくする」との説明がある。追って投稿されたブログにて詳細が発表されており、本機能は「『FIFA 21』にどれだけ時間と金銭を費やしたか」を確認するためのものだと明かされた。
FIFAプレイ時間では、『FIFA 21』をプレイした総時間・全モードを通じて遊んだ試合数・購入したFIFAポイント総額・開封したFUTパックの個数を確認することが可能。FIFAプレイ時間を有効にするには、メインメニューのカスタマイズタブにて、オンライン設定よりセッティングすることとなる。有効化したのちは、FUTやVOLTA FOOTBALLなど、さまざまな画面のメニューより確認が可能。さらに「FIFA 21」コンパニオンアプリおよびウェブアプリの「プレイ時間」メニューから、外出先でのプレイ状況の確認、毎週の開封するパック数の上限の設定、購入するFIFAポイントの上限の設定をおこなえる。
プレイ量を管理するために各要素へ上限を設定することも可能。参加可能な試合数や開封できるパックの数、ゲーム内ストアで購入できるFIFAポイントの額に“上限”をかけることができる。ただしこちらは一定値を超えるとブロックされるような強制力をもった機能ではない模様。アカウントが設定した上限に到達すると、画面に通知が表示される。「OK」を選択すると、試合の開始/パックの開封/FIFAポイントの購入がキャンセルに。しかし「上限を確認」を選択するとダッシュボードに移動し、「1時間後に再通知」を選択すると、メッセージとフォローアップが1時間表示されなくなる。つまり実質いくらでも延長が可能ということだ。
FIFAプレイ時間は、PC(Origin/Steam)では11月12日より実装済み。PlayStation 4/Xbox Oneでは11月17日から、PlayStation 5/Xbox Series X|Sでは次世代コンソール向けに『FIFA 21』がリリースされる12月4日から利用可能となる。海外メディアPC Gamerは、同機能の実装と、EAが抱えるルートボックス関連の民事訴訟2件との関連性を示唆している。うちひとつは、「ゲーム内におけるルートボックスの存在は“ライセンスのない、違法な賭博システムに相当する”」との主張が突きつけられた10月の訴訟。もう一件は11月12日に報告された、「EAはゲームの難しさを操作してルートボックスの購入を促進している」との訴訟である。
『FIFA』シリーズにてルートボックスにのめり込む若年層の問題は以前より報じられてきた。今年の7月にはある男性が、ゲーム内購入に依存するあまり両親と祖父母が蓄えてきた学費(3000ポンド/約40万5000円)を使い果たしたことを語っている(関連記事)。また2018年にさかのぼると、ベルギーにて『FIFA 18』を含むゲーム3タイトルのルートボックスが運により勝敗が決まる「Game of Chance」に該当することから同国の賭博法に反すると国から発表された(関連記事)。EAは自社タイトルのルートボックスを“チョコエッグのようなもの”などと述べ、販売停止を拒否。長らく抵抗を続けていたが、2019年1月には同国でのルートボックス販売を取り除くこととなった。
『FIFA21』最新のパッチノートはこちらから、FIFAプレイ時間やペアレンタルコントロールについて説明したブログはこちらで確認できる。またFIFAプレイ時間の公式サイトからも詳細をチェックすることが可能だ。