国内の個人開発者POLYGONOMICON(ポリゴノミコン)氏は11月6日、『蛮勇戦域バルバリオン(VARVARION)』を発表した。本作は、情報番組「INDIE Live Expo Ⅱ」でも紹介されていたが、短い動画の中でも特徴的な3Dモデルのキャラクターたちや動きの良さが際立っていた。
そんな気になる本作について、放送内ではSteamでのリリースが予定されていることや、2021年のインディーイベントへの出展予定が明かされていたものの、まだまだ開発中でもあるため、現在情報はあまり公開されていない。そこで、今回弊誌では開発者のPOLYGONOMICON氏へ直接問い合わせ、開発中の『蛮勇戦域バルバリオン』について伺ったので、その内容を踏まえて本作を紹介しよう。
『蛮勇戦域バルバリオン』は、アクロバティックな激しい攻防と、駆け引きを繰り広げる剣戟アクションゲームだ。プレイヤーは、オーク、男女の戦士、毛皮を身に纏った少女など、野性味溢れるキャラクターたちを操作。1対1の決闘から多対多の戦闘まで、さまざまなシチュエーションのバトルへと参加する。
キャラクターたちには、ライフ/マナ/スタミナの概念が導入されている。この内、POLYGONOMICON氏がある意味ライフよりも重要だと語るのが、スタミナだ。本作におけるスタミナは、攻撃や回避に成功することで増減し、スタミナの状況によって有利不利が変動する、バトルの中核を担う要素。格闘ゲームにおける有利/不利フレームのような働きを担い、攻撃/防御双方での余力を表しているという。同氏は、「”自分のスタミナを回復しながら相手を消耗させたい”というインセンティブが、目指しているチャンバラっぽい動きを誘発するようにシステムをデザインしています。」ともコメントしている。
また敵への攻撃や、直前での回避に成功すると、必殺技の発動に使うマナが得られる。本作の必殺技は、敵のスタミナゲージを一気に削る性質があり、ダメージへ変換する以外に、ガードを崩す目的でも使用可能できる。そのため、ガード崩しに使うか、崩したあとの止めに温存するかといった、さまざまな状況判断が発生するそうだ。ただし、必殺技は強力な分隙が大きい。回避された際には逆にピンチに陥ってしまうなど、戦いに変化を与えるスパイスのような位置づけを意図しているという。
ゲームモードとしては、対人の駆け引きが可能なバトルシステムを構築した上で、シングルプレイモードの充実を第一に開発が進行中だ。シングルプレイでは、キャラクターごとのシナリオも搭載。協力プレイや対戦にも対応予定であり、画面分割での対戦および協力プレイの基礎はすでに実装されている。現時点で、ローカルでの最大4人までの同時プレイに対応しており、ストーリーと関係のない協力ミッションや対戦などがプレイできるという。オンライン機能については、ぜひ実装したいと考えているものの、現在は実験を進めている段階であるようだ。
また、現段階で公開されているキャラクターは4体だが、すでに未発表のキャラクターも何体か作成済みだという。同氏は、アイデアのストックもたくさんあるため、時間の限り逐次作成していくと語っている。
本作を開発しているのは、趣味でも仕事でもモデリングを行っていたという個人開発者のPOLYGONOMICON氏だ。「ゲーム開発を1から10まで全工程、自力でこなしてみたい」、「”アニメのような超人チャンバラを操作”できるゲームを遊びたい!」といった思いを出発点に、現在の開発期間は休止期間を含めておおよそ8年ほど。現段階の開発状況は40%程度で、基本的なバトルシステムがおおむね実装され、コアが確立できたため、これからキャラクターやステージなどの量産に入る段階であるそうだ。開発エンジンとしてはUnityを使用している。
アクロバティックに飛んだり跳ねたりしつつ、激しい攻防が移り変わっていくような展開をゲームとして駆け引きを楽しめることや、さまざまなシチュエーション/キャラクターでバトルが成立するシステムを目指して開発を進められており、既存のバトル系ジャンルの作品から学びつつ、実験的な作品になっているという。アート面では、同氏が多感な頃を過ごした90年代のアニメから、ケレン味やエネルギッシュさを意識して取り入れ、その魅力を掘り下げているそうだ。なお、音関連では素材や外注も利用している。
『蛮勇戦域バルバリオン』は、Steamでのリリースを目指して開発中。2021年には、インディーイベントへの出展が予定されているほか、週末には新しいプレイ動画の公開も予定されている。