幽霊調査ホラーゲーム『Phasmophobia』人気爆発を受けて早期アクセス期間を延長へ。無名の個人開発作が思わぬバイラルヒット


『Phasmophobia』を開発するKinetic Gamesは海外メディアIGNに対し、同作の早期アクセス配信期間が当初の予定よりも長くなることを明かした。『Phasmophobia』は今年9月にSteamでの早期アクセス配信が開始された、最大4人Co-op対応のホラーゲーム。超常現象の捜査員として呪われた物件を調査する中、数々の怪異に遭遇する。霊的存在に命を奪われてしまう前に、超常現象の証拠を集め、その物件に何が取り憑いているのか突き止めるのだ(関連記事)。

発売当初は無名のタイトルであり、9月時点ではプレイヤー数もそれほど多くなかった。だがTwitch人気を受け、右肩上がりで人口を増やしていっている。ホラー演出に対してリアクションを取れる見せ場があり、かつCo-op対応によりコラボ配信もしやすい。プレイするたびに体験が変化する、実況プレイに向いたホラーゲームである。多くのストリーマーが本作を配信しており、Twitchの視聴者数ランキングでは上位。過去30日間の平均同時視聴者数は5万人台となっている(GitHyp)。プレイヤー人口も多く、平均同時接続プレイヤー数は5万人近く(Steam Charts)。Steamのユーザーレビュー数は7万件以上で、97%が高評価をつけている。

そんな『Phasmophobia』を手がけるのは、個人開発者のDknighter氏。ゲーム自体はKinetic Gamesという名義で販売しているが、ひとりで開発されている。同氏にとってのデビュー作であり、最初は短い早期アクセス期間を経てゲームを正式リリースする予定であった。しかしながら先述した予想外の大ヒットを受け、計画を変更したとIGNに語っている。人気作になったことで、人々のゲームに対する期待が高まったからだ。Steamストアページには、2021年の正式リリースを目指しているが、追加する機能や早期アクセスの状況によって変動し得ると記載されている。

Dknighter氏いわく、当初サーバーのキャパシティは、ローンチ日に多くて500人、それから減っていくとの想定で設定していたが、予想をはるかに上回る反響に。ピーク時で同時接続プレイヤー数11万人という、Steamでも上位クラスの人気作になった。セールスはすでに200万本を超えているという。

現在は影響の大きいバグの修正を優先事項としており、そちらが一段落ついてから新規コンテンツの開発に着手するとのこと。なお先日11月4日にも、バグ修正を中心としたアップデートが配信された。新しいコンテンツは、ゲームのベータ版(ゲーム購入者であればSteamよりアクセス可)でテストした上で本実装する見込みだという。

Twitch視聴者数(赤)は安定して高数値。プレイヤー人口(青)も徐々に増えていった。Image Credit: SteamDB


『Phasmophobia』の開発状況や既知のバグは、Trelloにて公開されている。To-Doリストに含まれる項目は、全マップでの天候ランダム化、幽霊がプレイヤーに物を投げてくる機能。幽霊がハントフェーズに入っているとき、物とインタラクトする機能。そのほかVRのミュート切り替えやSteam Cloudセーブ対応など多岐にわたる。着手中の項目には、優先事項であるバグ修正のほか、シングルプレイヤーボタンの追加(サーバーに接続しないモード)、アクセシビリティ項目の追加、契約難易度のランダムからドロップダウン選択式への変更などが含まれている。

同Trelloボードは自由にコメントを残せる設定になっており、フィードバックを募る場としても機能していそうだ。実際、バグの報告であったり、新しい機能に対する意見であったりと、多くのコメントが寄せられている。Trelloにはアイデア募集のリストもあり、「死亡したプレイヤーができること」「温度計の弱体化案」のカードには数百ものコメントが。長文も多く、熱意のあるファンに支えられていることが伝わってくる。

Trelloでは当初、PvPモード(片方のチームが幽霊を操作)にも言及されていたが、現在はTrelloから削除済み。Dknighter氏がIGNに語るところによると、このPvPに言及するTrelloカードは、人々のリアクションをさぐるために作ったのだという。現時点でそうした新しいゲームモードを追加する予定はないとのことだ。同氏は、あくまでも4人Co-opのゲームとして、バランスを調整していきたいと伝えている。そのため今後追加される新機能も、Co-opのゲームプレイにあわせたものになるという。


無名の個人開発タイトルとして始まり、2020年を代表するヒット作のひとつとなった『Phasmophobia』。日本語にも対応し、Steamにて1420円で販売中だ。VR/非VRの両方に対応している。