Keyが短編ノベル3作品を発表。竜騎士07氏によるループもの「Project:LOOPER」、田中ロミオ氏による「Project:PORTER」など


国内のゲームブランドKeyは10月26日、同社の情報番組「Key Channel 第五回 新プロジェクト鍵開け生放送」内で、キネティックノベル企画を3作品発表した。発表されたのは、「Project:LOOPER」「Project:LUNAR」「Project:PORTER」の3プロジェクトだ。

Keyは、2004年にキネティックノベル作品『planetarian』をリリースしている。同作では、当時まだ珍しかったダウンロード販売方式や、8か国語への翻訳によるグローバル展開など、時代を先取りした取り組みも行われていた。ANIPLEX.EXEによる『徒花異譚』『ATRI -My Dear Moments-』を含め、短編ノベルが各社から開発されている中、元祖キネティックノベルの同社が満を持して参戦すると語り、今回発表された3プロジェクトはシナリオ至上主義で開発されているそうだ。


「Project:LOOPER」は、『ひぐらしのなく頃に』『うみねこのなく頃に』などを手がけた竜騎士07氏がシナリオ、望月けい氏がイラストを担当する短編ノベル作品だ。主人公のタイラは、ジオハンティング(GPS宝探しゲーム)に熱中する高校生。夏休みのある日、友人たちとジオハンティングをしていたところ、時の渦に巻き込まれ、今日が無限にループする運命に囚われてしまう。少年たちは、繰り返す時間の中で、同じルーパーであるサイモンや謎の少女ミリアなどと出会い、ルーパーたちは力を合わせて時間の牢獄からの脱出を目指すという。

プロジェクト名のとおり、本作はループもの。感動するような展開や、ちょっとしたホラー要素も存在し、仲間たちと共に本当の宝物を探しに行く物語が描かれるそうだ。本作の発売日は、近日公開予定とされている。


「Project:LUNAR」は、公式サイトによると、”月と地球。384,400kmを繋ぐラブストーリー”。主人公のT-bitは、VRバトルアクションレースゲーム「Skyout」では敵なしの、天才高校生ゲーマー。彼は、Skyoutで賞金を荒稼ぎする日々を送っていたのだが、ある日誰も存在を知らない月面サーバー”ルナーワールド”に迷い込み、そこで月面開発事業のボツマスコットキャラクター、LUNAR-QというAIと出会う。

彼女は、月面サーバーのAIアバターであるため、月からは出られない。しかし、彼女は一目地球を見てみたいと願っていた。カジュアルなところから壮大な世界へ繋がっていく、月と地球を繋ぐ物語が描かれるそうだ。シナリオは、ライトノベル作家の松山剛氏が担当。Keyらしい泣きが書ける作家を探した結果、同氏にたどり着いたという。本作は、2021年の発売が予定されている。


「Project:PORTER」の舞台は、シンギュラリティを起こした機械群によって地球が支配され、人類が息を潜めて生きながらえている世界だ。主人公は、運び屋として生計を立てている人物。ある時運び屋の元へ、代用家族として開発された少女型アンドロイドの輸送依頼が舞い込み、世間知らずな少女と運び屋の旅が描かれる。略奪を繰り返す人間や、機械群が闊歩する危険地帯。輸送依頼を果たそうと進む中、シンギュラリティの影響を受けない少女は「人間になりたい」と口にし、起動エレベーターの先で人間になれると語る。本作は、『CROSS†CHANNEL』「人類は衰退しました」などを手がけた田中ロミオがシナリオを担当。2021年の発売が予定されている。

今回発表された3作品については、公式サイト内で情報が公開中だ。