群島探検&拠点建設アクション『Drake Hollow』発売&紹介。汚染された異世界にて、キュートな野菜の民を救え

群島探検&拠点建設アクション『Drake Hollow』発売&紹介。『Drake Hollow』の汚染された異世界にて、キュートな野菜の民を救え。

米国のインディースタジオThe Molasses Floodは10月2日、『Drake Hollow』のPC版(Steam/Microsoft Store)をリリースした。同作のXbox One版は今年8月に先行して発売済み。PC版のブラッシュアップに時間を要し、このたびようやくリリースにこぎ着けた形となる。Steam版は通常価格3090円(10月9日までは10%オフの2781円)。Microsoft Store版はXbox One版とのクロスプレイとクロスセーブに対応し、3500円で販売されている(Xbox Game Pass対象タイトル)。日本語非対応。

汚染された世界で野菜の民を救う

*8月に公開された、Xbox One版ローンチトレイラー

『Drake Hollow』は、荒廃した異世界を舞台とした拠点建設アクションADV。主人公は、言葉を解するカラスに誘われて、異世界へとやってきた少年/少女。「The Hollow」と呼ばれるその世界は、エーテルの力によって大気が汚染され、野蛮なクリーチャーがはびこるようになっていた。心やさしい二足歩行野菜「ドレイク」たちは自力で生活できなくなり、総じて冬眠中。カラスに導かれてやってきた主人公は、この過酷な地に住まうドレイクと動物たちを救うべく、彼らの生活基盤の構築と、汚染された異世界の浄化に勤しむことになる。

「The Hollow」の世界は有毒ガスによって陸地が分断されており、群島のようになっている。ゲームの大まかな流れは、拠点のある島から出発し、有毒ガス地帯を渡って周囲の小島を探索。各島にて物資調達、ドレイクの保護、エーテル汚染の浄化を図り、定期的に訪れる拠点襲撃イベント(レイド)のカウントダウンが始まったら、拠点にまで引き返して襲撃に備える。クリーチャーの襲撃から拠点を防衛し終えたら、防壁や設備を修理・建設し、次なる冒険に向けて準備を整え、再出発。このゲームプレイループを繰り返しながら、ドレイクを集め、育て、拠点を拡大する。この世界を救う手がかりを探しつつも、ゆくゆくは主人公自身が元の世界へと帰還することが目標だ。

群島浄化とジップライン構築の旅

ジップラインで移動&物資輸送
ジップラインをつなげながら群島を探検


本作ではプレイ時間の多くを群島探検に費やす。ドレイクの食料、育成素材、拠点を拡大するための建設素材、怪物と戦うための武器、冬眠中のドレイク。いずれもランダム生成される危険地帯へと足を踏み入れなければ見つけ出せない。各島では、かつてこの世界で暮らしていた居住者のノートが見つかることもある。未知なる世界にて、過去に一体何が起きたのか。先人たちの言葉を通じて、物語が見えてくる。

拠点で必要となる資源が枯渇しないよう島から島へと絶えず移動。かといって徒歩での移動だと、遠出する前に拠点襲撃の時間が訪れてしまい、探索がはかどらない。そこで島から島へとジップラインをつなげていき、移動時間の短縮を図ることになる。ジップラインは移動手段であると同時に、物資の運送ラインでもある。各島には物資トラックが放置されており、それらをジップライン網につなげれば、トラック内の物資を拠点まで自動で運べるようになる。ただ、どの島も汚染されており、そのままの状態では物資の運送を邪魔される。運送ラインを機能させるには、まず各島を浄化せねばならない。


各島には有毒ガスを発する禍々しい植物がそこら中に生えており、それらをすべて排除すれば島は浄化され、物資を無事に運べるようになる。有毒植物は巨大ゆえに、雑草のように引っこ抜いて終わりというわけにはいかない。野球バットやオノといった武器を使って叩き壊すのだ。島によって数個から数十個、ツタを探しては叩き壊すという作業を黙々と繰り返す。流石に何十回、何百回と繰り返していると苦しくなってくるかもしれないが、島の浄化はゲームクリアの必須条件ではない。その島にある物資が必要でないのであれば、ほどほどにして先へ進めるというのも手だろう。

また探索中には獰猛なクリーチャーたちが襲ってくるので、島にあるガラクタを漁り、身を守れるよう武器を調達しておこう。群島探索時・拠点防衛時と、クリーチャーとの戦闘機会は多い。拠点建設要素も重要だが、それ以上に本作は戦闘頻度の多いアクションゲームとなっている。戦闘システム自体はシンプル。片手持ちもしくは両手持ちの近接武器による攻撃、らっぱ銃や弓矢を使った遠距離からの攻撃。ドッジとブロックをうまく使いつつ、クリーチャーを撃退していくのだ。ただ、戦闘頻度が高いわりに戦闘の幅は狭く、敵は4種類と少なめ。アクション部分の単調さが目立つ。


死亡してもゲームオーバーにはならず、2つの選択肢が与えられる。すぐに復活するかわりに武器の耐久度を落とすか、霊体となって拠点から死亡地点まで徒歩で移動して蘇生するか。所持アイテムを失うといった大きなデメリットはない、やさしめの仕様となっている。

季節に適した拠点建設&防衛

拠点ではドレイクたちのかわいらしい生活風景を観察できる


拠点では、ドレイクの空腹度、喉の渇き、眠気、娯楽欲を満たせるように設備を設けていかねばならない。建設規模上限の概念があるため、むやみやたらと増設できるわけでもなく。何が不足しているのかバランスを考えながら、ドレイクにとって住み心地のよい居場所を提供するのだ。自由に拠点を築き上げるというよりは、ドレイクの需要を満たす最適解を探し出す工程となっている。

食料を提供するためのプランター、食用エビの水槽、グリーンハウス。水分を供給するための井戸や冷水器、汚染水の濾過装置。睡眠を取るためのベッド。娯楽提供のためのヨガボール、ピンボール、ブランコ、ディスコフロア、浴槽。電力供給用の発電機や発電用風車。クリーチャーの襲撃に備えるための防壁やトラップ。各設備の建設・維持・修理といった実労働はすべてドレイクが担う。

拠点周辺をジップラインでつないでおけば、襲撃時の移動に便利


ドレイクの数を増やし、探索中に集めたクリスタルを与えて成長させていくと、拠点レベルが上昇。新たな設備がアンロックされ、建設規模の上限もアップ。拠点のさらなる発展へとつなげられる。なお各ドレイクからはバフ効果を受け取ることができる。体力の自動回復や、近接武器への属性付与、特定設備の効果ブーストなど。同時に発動できるバフの数には限りがあり、探索に出向く際にはバフの組み合わせを考えるのも楽しみのうちとなる。新たなドレイクの発見は新たなバフ効果の発見でもあり、ドレイクの成長はバフ効果の強化でもある。ドレイクが増え、育てば、それだけ主人公も強くなる。

本作のキャンペーンは春夏秋冬の4部構成。春エリアでのクエストを終えると、夏エリアに移動し、また新たな群島を探検するといった流れになっている。春は快適な生活を送りやすいチュートリアルパート。それ以降のエリアに進むと、季節特有の課題が降りかかるようになってくる。夏はドレイクの水分摂取量が増え、秋はドレイクが飽きっぽくなり娯楽需要が増す。冬はドレイクや各設備が凍ってしまうため、暖房器具が必要になってくるといった具合だ。季節に応じて拠点の設備構成を見直しながら冒険を進めるのだ。

冬になると設備が凍ってしまうのでヒーターが不可欠


季節による拠点運営面での変化はあるものの、探索・戦闘面での変化は乏しく、単調さは拭いきれない。ただキュートなドレイクたち、荒廃した異世界空間での群島巡り、ジップラインによる輸送・移動ラインの構築など、光る部分のあるインディータイトルとなっている。本稿執筆時点では、ソロプレイもしくはフレンドとのオンライン協力プレイに対応したキャンペーンモードが実装済み。近日中には、クエスト抜きでエンドレスに遊べるサンドボックスモードが追加される予定だ(公式サイト)。

Drake Hollow』はPC(Steam/Microsoft Store)/Xbox One向けに配信中。日本語は非対応のため、異世界の住民(動物)との会話や読み物アイテムを通じて描かれるナラティブ部分を味わいたい方は注意。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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