国内のゲーム制作サークル・プチデポットは9月27日、『グノーシア(GNOSIA)』Nintendo Switch用パッケージ版を2020年12月17日に発売すると発表した。パッケージ版の価格は税別4800円。初回特典には、リバーシブルジャケット7枚(着せ替え可能なパッケージデザインのシート)と、『グノーシア』の世界観をイメージしたオリジナルイヤフォン、セツが身につけているヘアピン2個が付属する。なお、ゲーム内容はNintendo Switch用ダウンロード版と同じ内容になる。
『グノーシア』は、閉ざされた宇宙船の中で人狼事件を繰り返すSF人狼系シミュレーションアドベンチャーRPGである。主人公は、プレイヤーの分身にして、何らかの事情によって記憶を失っている人物。彼あるいは彼女は、コールドスリープによって眠ったまま宇宙船に乗っていたのだが、ある時宇宙船内でグノーシア汚染者の存在が検知。グノーシア事件の発生をきっかけに、主人公はコールドスリープから目覚め、閉じた宇宙を繰り返すことになっていく。
グノーシア汚染者、通称グノーシアとは、人類を消し去りたいという衝動を持った存在だ。彼らは外見上の特徴を持たず、普段は乗員の一人として振る舞っているものの、船内から一人ずつ人類を消し去り、最終的には宇宙船の乗っ取りを狙っている。彼らの存在が検知された船内では、グノーシアがいることは確かであるものの、それが誰であるのかわからず、かといって放っておくこともできないわけだ。そこで彼らは、議論を行って疑わしい人物を1名決め、コールドスリープによる処刑を試みる。主人公も乗員の一人として、誰がグノーシアなのか、議論と投票へ参加することになる。
船内にはグノーシアと普通の乗員以外に、グノーシアかそうでないかを調査できるエンジニア、コールドスリープした人物がグノーシアだったか調べられるドクター、グノーシアの襲撃から1名を守れる守護天使、論理的にグノーシアではないことがわかっている留守番、グノーシアに協力する狂人・AC主義者など、6種類の乗員が乗っている。役職の持つ能力や、疑う・かばうといった発言によって印象を操作し、全てのグノーシアを眠らせることができれば、人類の勝利となる。また、主人公はグノーシア事件が発生するループに囚われており、何らかの形により決着がつく度に、次の宇宙でグノーシア事件に巻き込まれる。
ループする度にキャラクターの役職が変化するほか、主人公は経験を得て成長し、ステータスの上昇やスキルの習得によって議論が有利に進められるように。1周あたりのプレイ時間は15分程度。手軽さと緊張感のある人狼シミュレーターと、繰り返されるループからの脱出を目指し、グノーシアの正体やループの謎が少しずつ明かされていく物語が、本作の魅力だ。ステレオタイプな宇宙人風のしげみちや、主人公と関わりの深いセツ、謎のカリスマを持つ夕里子など、個性的なキャラクターたちのイベントも展開される。
本作を開発したプチデポットは、魔物アパート経営TD『メゾン・ド・魔王』を手がけた、名古屋在住の独立系ゲーム開発集団である。『グノーシア』は約4年の開発期間を経て、2019年6月にPlayStation Vita版がリリース。Nintendo Switch用ダウンロード版は2020年4月30日に配信開始されており、日本ゲーム大賞2020 ゲームデザイナーズ大賞の候補作に選ばれるなど、高い評価を集めている。本作については、『レイジングループ』を手がけたamphibian氏との座談会も弊誌には掲載中だ。また、本パッケージ版発表にあわせて公開されたプチデポットの代表・川勝徹氏のコメントによると、パッケージ版はプレイヤーからの熱い声援を受けて実現したもの。初回特典は、プチデポットのメンバーたちが欲しいものを厳選して制作しているそうだ。
『グノーシア』Nintendo Switch用パッケージ版は、税別4800円で2020年12月17日発売予定。初回特典には、リバーシブルジャケット7枚/オリジナルイヤフォン/セツ仕様のヘアピン2個が付属し、9月28日から各店舗で予約開始予定とされている。また、メビウスのオンラインストアでは『グノーシア』オリジナル・サウンドトラックの10月中旬発送分の予約が受付られている。