弊社アクティブゲーミングメディアのインディーゲームブランドPLAYISMは9月22日、韓国の個人開発者Somi氏が手がけた『レプリカ(Replica)』および『リーガルダンジョン(Legal Dungeon)』のコンソール版を発表した。対応プラットフォームはNintendo Switch。『レプリカ』は2020年秋、『リーガルダンジョン』は2021年初頭に配信開始予定だ。また、Switch版の発売後には、両作ともPlayStationプラットフォームでの発売も予定されている。
『レプリカ』は、Steamでは2016年にリリースされた、スマートフォンを操作する短編インタラクティブADVである。主人公は、政府によって狭い部屋に拘束されている人物。政府は、テロ容疑がかけられた人物のスマートフォンを手渡し、中から証拠を探し出すよう要求している。しかし、スマートフォンには当然さまざまなロックがかかっており、ロックを解除しなければホーム画面にすら辿り着けない。そのため、主人公はショートメッセージ、SNSなどに残された情報を手がかりに、ソーシャルハッキングを仕掛けることになる。
スマートフォンを操作し、アプリや情報へアクセスしているうちに、持ち主の人物像が徐々に明らかに。政府は、疑わしい情報を見つけたら報告するよう求めているが、この人物は本当にテロを企んでいるのだろうか。12種類のエンディングが用意されており、プレイヤーの操作応じてさまざまな展開が描かれていく。他人のスマートフォンを操作して、私生活を覗き見る背徳的な行為や、倫理観を問うような状況、ログを手がかりに推理するソーシャルハッキングが本作の魅了だろう。Steamでは、2400件以上のユーザーレビューにより、非常に好評を獲得している。
『リーガルダンジョン』は、Steamでは2019年にリリースされた、捜査書類によって人の人生を左右するインタラクティブADVだ。主人公は、腐敗した警察組織に所属する一人の警察官。彼の仕事は捜査書類を元に、関連する法律や判例にに応じて、誰がどのように何に違反したのかをまとめあげること。作成した意見書の内容によって、事件が不起訴となったり、裁判での有罪/無罪が変化するなど、容疑者の人生が一変する。また、事件が起訴になれば警察署内での評価が向上するが、起訴になった事件が裁判所で無罪になると、法機関評価ランクが低下してしまう。一見書類を作成するだけだが、その書類には自身も含めた人の未来がかかっており、倫理が問われるわけだ。
主人公は、窃盗や殺人など、8つの事件の書類を作成。書類の内容によって14種類のエンディングへ分岐し、ダンジョンには真犯人が待ち構えている。各事件の被疑者と事情聴取を通して繰り広げるバトルも用意されている。また、本作の日本語ローカライズは、SF人狼ADV『グノーシア』やアパート経営TD『メゾン・ド・魔王』を開発した国内のインディー開発チームプチデポットが担当。コンソール版のメインビジュアルも、彼らが担当している。なお、翻訳は『グノーシア』のリリース直前だったため、同チームのリーダーには黙って行われたそうだ。
両作を開発したSomi氏は、前述のとおり韓国の個人開発者である。2020年7月にリリースされた最新作『The Wake』も含め、3作品は「罪悪感三部作」とも称されており、スマートフォンの捜査や書類作成を通して描かれる葛藤が、作品の特徴と言えるだろう。『レプリカ』は2020年秋、『リーガルダンジョン』は2021年初頭に、Nintendo Switch版が発売予定。先行してSteamでは配信されているほか、後日PlayStationでのリリースも予定されている。