国内のゲーム制作サークル・あとらそふとは9月17日、『ダンジョンイクサ』の体験版をクリエイター支援サイトCi-en内で公開した。対応プラットフォームはPC。体験版はベータテストを兼ねたもので、要望やバグの報告については問い合わせフォームで受け付けられている。
『ダンジョンイクサ』は、魔王となって魔王軍再興を目指すダンジョン制作RPGだ。本作の舞台は、魔王軍と帝国が魔族戦争を繰り広げていたファンタジー世界。先代魔王は魔族に力を与えることで大陸支配を狙っていたが、魔王が勇者に討伐されると、魔族たちは次第に力を失っていき、最終的に人間が勝利を収める。戦争後、人間は魔族の集落を焼くと、彼らを捕らえて奴隷として働かせていた。主人公は人間に捕らえられ、剣闘士として戦わされていた魔王族最後の生き残り。帝国都市で発生した剣闘士奴隷による反乱に乗じて逃げた主人公は、先代魔王から受け継いだ力を使って新たな魔王として君臨し、魔王軍の再興を目指す。
帝国都市から逃げ出し、魔王城へやってきた主人公だが、城内には魔族はほとんどおらず、設備も乏しい。しかし、そうした魔王軍の状況とは関係なく、冒険者たちは魔王城へやってきて略奪を行うので、まずは城内への戦闘員の配置と魔王城の改築によって守りを固めることになる。
戦闘員を配置すると、彼らは自動的に侵入者と戦ってくれる。各キャラクターには、ステータスやアビリティがあるほか、お金の消費によってレベルアップも可能。また、雇用できる戦闘員は、アイテムの入手によるクエストの達成や、高額な雇用費用などの条件を満たすことで増えていく。
魔王城内は、掘削によって部屋や通路を増やしたり、部屋内に施設を建てたりなど、お金の消費によって改築できる。建築できる施設には、戦闘員を鍛える訓練場や、体力が回復する休憩室などがあり、戦闘員の状態を整えることで、侵入者を迎えるのだろう。ギャンブラーがやってくるようになるカジノや、浴場といった施設も用意されているようだ。
また、城内の管理以外に、魔王は戦闘員をPTメンバーとして引き連れ、マップの探索が可能。いくつもの拠点や勢力が存在し、敵対的な拠点を制圧すると税収が得られるようになるほか、各拠点では人間との交流やアイテム群の拾得、ほかの勢力との外交交渉などもできるようだ。また、体験版には実装されていないものの、制圧した拠点からは陳情が寄せられることもあるという。自動戦闘による魔王城の防衛要素以外に、魔族と人間が争う世界が描かれていることが、本作の特徴だろう。
本作を開発しているあとらそふとは、システム担当のアトラ氏と、グラフィック担当のワレヨン氏による国内のゲーム制作サークル。過去作としては、闘士として闘技大会での優勝を目指すフリーゲーム『マッドプリンセス』や、同名タイトルの有償作品『マッドプリンセス-華麗なる闘士たち-』が挙げられる。なお、本作は東京ゲームショウ2020のインディー選考枠に出展される予定だ。
『ダンジョンイクサ』は、PC向けに2020年内リリース予定。ストーリー/サブストーリー/陳情などを制限した体験版が、Ci-en内にて公開されている。