オープンワールドゲーム『クラフトピア』に、エレベーターなど“実装されていないはずの”コンテンツが続々登場。クラフトピア学会による研究成果

Steam早期アクセス配信が開始されて以降、精力的なアップデートが続けられている『クラフトピア』。開発チームにより新しい要素が追加されている一方で、エレベーターやスポットライトなど、彼らの想定していない要素も『クラフトピア』には登場しているようだ。

先日Steam早期アクセス配信が開始されて以降、精力的なアップデートが続けられている『クラフトピア(Craftopia)』。アップデートでは、バランス調整やバグの修正にくわえて、石やレンガの壁、アイテムを吸引してくれるアブソーバーといった新しいアイテムもゲーム内に登場しており、開発陣の意気込みが感じられる。こうして開発チームにより新しい要素が追加されている一方で、エレベーターやスポットライトなど、彼らの想定していない要素も『クラフトピア』には登場しているようだ。

『クラフトピア』のプレイ中、早期アクセスタイトル特有の”怪しい挙動”を利用して遊んでいると、不可思議な現象に遭遇することがある。具体的には、ベルトコンベアを使って自動的に畜産と発電を一箇所でおこなっていたら、発電機がスライドしてどこかへ飛んで行ってしまったり、複数重ねた小麦畑に回転のこぎりを設置したら、決まった方向に小麦が流れたり、重ねた畑が跳ねたりする。

こうした怪現象には再現性があるのだが、疑問を持ったプレイヤーによる研究と応用がTwitter上の「#クラフトピア学会」で行われており、彼らの熱意によっていくつかの法則が明らかになった。そのうちの一つが、「オブジェクト力学(壁力学)」と呼ばれるものである。


オブジェクト力学を応用すると、本来『クラフトピア』には実装されていない水平/垂直に動くエレベーターが作成できる。エレベーターの作成にはいくつか方法があるが、一例としては、ベルトコンベアと壁、発電機(小)を含めた一部の施設を用いておこなう。水平の場合は、壁と、壁に向かって動くベルトコンベアを設置し、ベルトコンベア上に発電機(小)を流す。ベルトコンベア上を動く発電機(小)は、壁に向かって流れた後、壁に衝突してその場で停止するかのように思われるが、なぜか発電機(小)は踵を返し、そのまま壁とは逆方向へなにかに衝突するまで飛んでいく。そうはならないだろうとツッコミたいが、なっているのだから仕方がない。


斜めのベルトコンベア2つと、水平のベルトコンベア1つ、発電機(小)を含めた一部の施設、床と壁を使うと、垂直のエレベーターも作成できる。床と隣接する壁を置き、残った3方向に、床に向かって動くようにベルトコンベアを隣接して置く。水平のベルトコンベアから発電機(小)を流すと、なぜか上昇を始め、なにかにぶつかるまで垂直方向に移動し続ける。浮遊感を与えられ、予想外の方向へ移動するオブジェクトに乗ることで、エレベーターとして利用できるわけだ。なお、垂直方向の移動に関しては、グライダーと斜めに設置したキャンプファイアを使った、焚き火式が高速で便利だ。

なぜ、発電機はあらぬ方向へ移動していくのだろうか。Twitter上でオブジェクト力学を含めた研究をおこなっているクラフトピア学会員のHarmonics氏のツイートによると、透明なオブジェクトが原因であるという。まず、『クラフトピア』のオブジェクトには、力に対して動く2種類の原点が存在する。2種類の原点は、通常あらゆる力に対して同じように動き、何らかの方法で同期もおこなわれている。しかし、ベルトコンベアから受ける力には、同期ずれを起こすものがあり、原点の位置がずれた結果、透明なオブジェクトとして出現。透明なオブジェクトが障害物によってスタックし、オブジェクトの反発力が働くことで、結果的に本体が飛んでいってしまうと考えられている。

同氏の研究によると、ベルトコンベア上でずれを起こすのは、石の炉、交配所S、調理用なべ,石のキャンプファイア、時代の祭壇、転移の祭壇、発電機(小)、プリズムガチャ、バリケード。少なくとも、9種類のオブジェクトを浮遊させられるようだ。

「#クラフトピア学会」では、ベルトコンベアと木材ドローン基地を使った木材ドローンタクシー、世界の果てを利用したガチャコインの生成、畑の圧縮方法としてスプリンクラー法や空白スライドなど、学会員たちによってさまざまな研究がおこなわれている。プレイヤーの研究には、本作を開発しているポケットペアも反応。Twitter上で研究成果の紹介をしているほか、ゲーム内のアイテム説明文に壁力学やオブジェクト理論といった単語が登場している。こうした怪しい挙動の研究や、プレイヤーの反応を取り入れた素早いアップデートも、早期アクセスタイトルの醍醐味だろう。

『クラフトピア』は、Steamにて2570円で早期アクセス配信中。『ソフィーのアトリエ』『フィリスのアトリエ』などの楽曲制作にも参加していた、矢野達也氏が担当した本作のサウンドトラックは、通常価格520円で販売中だ。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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