『Dead by Daylight』スキルレーティング制マッチメイキング無効化。実装から約1週間で停止という苦渋の決断へ

 

Behaviour Interactiveは8月12日、『Dead by Daylight』にてランク制に代わる新たなマッチング方式であったスキルレーティング制マッチメイキングの無効化処理を行なった。より正確にプレイヤーの実力を内部で数値化しマッチングを行なえるとされていたが、実際は実力差がある相手とのマッチングが絶えない状態となってしまっていたようだ。そういった状況を鑑みてか、Behaviour Interactiveは導入から約1週間で本機能を無効化する決断を下した。


スキルレーティング制導入の背景

『Dead by Daylight』ではランクというプレイヤーの腕前を示す指標が用意されている。ランクは20からスタートし、もっとも高いランクは1だ。プレイヤーの試合内での活躍に応じてポイントを得ることができ、それを一定数集めることでランクを徐々に上げることができる仕組みとなっている。逆に試合内での成績が悪い場合はランクが下がることもあり、かねてよりこのランクの数値がプレイヤーの腕前を示す指標として浸透していた。

しかしBehaviour Interactiveによると、現在のランクは主に「プレイ頻度」に焦点を当てており、「プレイしたときのスキル」には焦点を当てていないものになっているという。その理由として、「低ランク」のプレイヤー(ランク15~20)の中には、「高ランク」のプレイヤー(1~5)と同じくらい上手にプレイすることができるものの、毎月13日にランクがリセットされるまでに十分プレイしていないため、高ランクまで上がらないプレイヤーが非常に多いのだそうだ。

また逆のケースとして、高ランクのプレイヤーの中にはあまり上手にプレイできていなくても、1か月の間にマッチをたくさんプレイすることで高ランクに達している人もいるようだ。そういった背景から、現在のランクシステムを用いてマッチメイキングをすることは、実際の実力が異なるプレイヤー同士をマッチングさせることに繋がりやすく不平等となるため、新たなマッチングのための指標としてスキルレーティング制が導入される形となった。

ランクとスキルレーティングの違い

結論を先に言うと、自分の実力が可視化されているかどうかの違いだけである。これまではランクという数値を見てプレイヤーの実力を推しはかることができたが、スキルレーティング制ではプレイヤー側から見えない“スキルレート”をもとにマッチングが行われる。つまり、マッチングしたプレイヤー同士は基本的に同じ程度の実力を持っているということになるわけだ。試合結果画面で表示されるランクはあくまでも1か月にゲームを遊んでいる時間の長さという指標となる。あわせて試合中の活躍度合いを示していたエンブレムシステムも意味のないものとなってしまった。

8月4日に公開された開発チームQ&Aによると、今後これらのランクシステム・エンブレムシステムについては、スキルレーティング制の成熟にあわせて変更を加えていく予定だそうだ。

スキルレーティング制導入後の考察

冒頭で記したとおり、残念ながらスキルレーティング制は公開から約1週間で一時無効化されることとなってしまった。本来であれば、ランクが離れていたとしても内部レートによって同じくらいの実力を持っているプレイヤー同士がマッチングされるはずだったのだが、期待した結果を得ることができなかったためである。実力に見合ったレートにたどり着くまでに数試合ほどは、自分の実力と離れているプレイヤーともマッチングする可能性があるとは言われていたが、数試合を経た後になっても、実力に見合ったレートにならなかったと、ユーザーコミュニティで多くの報告があげられていた。

今回のスキルレート制の停止について、Behaviour Interactiveはコミュニティからのフィードバックや収集したデータを考慮した結果、無効化をしたというお知らせを出している。しかし、具体的にどういった点が予想と反する結果となったかについては言及しておらず、ユーザー間ではさまざまな憶測や意見が飛び交っているようだ。「事前にXbox One版の一部ライブサーバーでテストを行ない、300万マッチ以上の分析を行った」と言っていたのに、という厳しい意見も見受けられる(公式フォーラム)。今後どのようにシステムの改善に取り組んでいくのか、続報を待ちたい。

最後に、『Dead by Daylight』は8月14日よりモバイル版を除くすべてのプラットフォームにてクロスプレイに対応した。同時にプレイするユーザーがぐっと増えることで、マッチング速度の短縮にも大きく繋がっている。データの収集という面でスキルレーティング制の改善にも繋がっていくことは間違いないだろう。