起きたら虫になっていた男の一人称視点ADV『Metamorphosis』配信開始。カフカの「変身」を題材とする作品

Ovid Worksは8月12日、一人称視点のパズルアドベンチャー『Metamorphosis』の配信を開始した。『Metamorphosis』は、1匹の虫となって冒険する一人称視点のパズルアドベンチャーゲームだ。

ポーランドのデベロッパーOvid Worksは8月12日、一人称視点のパズルアドベンチャー『Metamorphosis』の配信を開始した。対応プラットフォームはPC(Steam/GOG.com)で、日本語にも対応している。価格はSteam版が2570円、GOG.com版は24.99米ドル。いずれも8月20日までセールを行っており、10%オフの価格で購入可能だ。

『Metamorphosis』は、1匹の虫となって冒険する一人称視点のパズルアドベンチャーゲーム。朝起きると虫になっていたという導入から始まる作家フランツ・カフカの「変身」を題材にした作品だ。なお、小説と同じストーリーをたどるのではなく、「変身」を含む複数のカフカ作品から影響を受けて作られたオリジナルストーリーとなっている。

主人公のグレーゴル・ザムザは、ある朝目覚めると小さな虫になっていた。語りかけてくる謎の声に耳を傾けると、どうやら「Tower」という場所で虫として仕事を得て、良い成績を残せば人間の姿に戻れるらしい。グレーゴルはひとまず「Tower」を目指すこととなるが、その道中で、グレーゴルの友人ジョセフが、理由がわからないまま逮捕されそうになっている場面に出くわす。


一見、なんの変哲もない部屋や景色でも、小さな虫の視点から見るとまったく印象が変わる。グレーゴルとして、馴染みがあるようで見慣れない奇妙な世界を旅し、虫になってしまった理由を知ること、そしてジョセフを助けることが、本作の目的だ。


ゲームシステムとしては、虫になったグレーゴルを操作し、ストーリーに沿ってパズルを解いたり、目的地に到達したりすることでゲームが進んでいく。虫なのでジャンプ力は高めで、多少の坂であれば登ることが可能。ただし、急な斜面や垂直面などは特別な方法で登る必要がある。ステージの中にある「ベタベタしたもの」に足をつけ、登りたい箇所で粘着力を利用して登っていくのだ。人間の一人称視点ゲームでは味わえない、虫ならではの一風変わった操作感が楽しめそうだ。

虫らしさといえば、サウンドデザインにもこだわりが感じられる。主人公グレーゴルは、ゲーム開始時点では人間らしい声で喋るものの、少しずつ虫の鳴き声が混じったような、不気味な喋り声に変わっていく。また、移動中のカサカサという音は、まさに虫の足音だ。「ベタベタしたもの」が足についている状態では、粘着質なものが床を這うような音に変わる。美しいBGMとリアルな虫らしい音の絶妙な組み合わせが、本作の奇妙な魅力をより引き立てているのかもしれない。


『Metamorphosis』は、Steam/GOG.comにて配信中。日本語字幕に対応している。8月20日まで、通常価格より10%オフで購入できる。

Maho Ikemi
Maho Ikemi

ニュースを担当します。物心ついた時にはゲームに囲まれていました。この先もゲームとともに楽しく過ごしたいと思っています。

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