カプコンは8月5日、公式サイト内に2021年3月期第1四半期の決算カンファレンスコール資料を公開した。公開された資料によると、第1四半期は新型コロナウイルスの感染拡大抑止のため、アミューズメント施設事業では店舗を一時休業。緊急事態宣言中は、原則として在宅勤務および自宅待機を実施した。こうした状況により、アミューズメント施設の売上は2019年6月の27億1000万から、11億8400万円まで下降している。
一方、2020年4月に発売された『バイオハザード RE:3』は累計270万本を突破。累計580万本を販売している『モンスターハンターワールド:アイスボーン』や『バイオハザード RE:2』の売上もあり、デジタルコンテンツの売上としては、前年同期の139億7700万円から、今期は214億7600万円にまで伸びているそうだ。
カプコンは資料内で、デジタル販売の貢献が増収増益の主因であると語っている。コンシューマの売上では、2018年6月時点ではパッケージが61億円、デジタルが60億円と横並びだったが、2019年6月のデータではパッケージの33億円に対し、デジタルは101億円。2020年6月は、パッケージが60億円まで回復したが、デジタルはさらに143億円にまで伸びており、デジタル販売の売上が同社の収益の大部分を占めているようだ。
質疑応答概要によると、『バイオハザード RE:3』のデジタル販売比率は約6割で、北米/欧州/日本/アジアの順で販売数が並んでいるという。また、デジタル販売におけるプラットフォームの内訳としては、PlayStation系が35%、PC系が35%、Xbox系が15%、任天堂系が15%で概ね推移。同社は今後デジタル販売比率90%を目標に、さらなる拡販を目指すとも語っている。
コロナウイルスが経済に大きく影響を与えているが、同社は巣ごもり需要のデジタル販売への影響について、否定的な見解を示している。まず、デジタル販売伸長の要因は多岐に及ぶため、巣ごもり需要単体で影響を測ることは難しいと前置き。その上で、外出自粛によりゲームを購入する層は、普段ゲームをそれほど遊ばないカジュアルユーザーだと考えており、コアユーザー向けコンテンツを主力とする同社への影響は限定的であると認識しているそうだ。
またコロナウイルス関連ではアミューズメント施設について、一時休業の影響もあり4月と5月は低調だったが、6月は影響の小さい地域の貢献により、単月で黒字だったという。
資料内では、同社は今年度の業績に大きな影響を与えるような開発遅延リスクはないと語っており、PlayStation 5/Xbox Series X/PC向けに2021年リリース予定の『バイオハザード ヴィレッジ』を含め、同社の新作には引き続き期待できそうだ。