キプロスに拠点のあるゲーム開発会社Wargamingは8月3日、PC版『World of Tanks』にてアップデート1.10を配信した。今回のアップデートは、2020年8月で『World of Tanks』が10周年を迎えることを記念した大規模なもので、拡張パーツの仕様変更やマップ「 珠江(PEARL RIVER)」のHD化、戦車のバランス調整などが実施されている。
『World of Tanks』に配信されたアップデート1.10では、拡張パーツの仕様変更が行われ、2.0となった。拡張パーツとは、隠蔽率を下げる迷彩ネットや装填時間を短縮する装填棒など、車輌の性能を向上させる装備品だ。公式サイトの記事によれば従来の拡張パーツには、一部の拡張パーツに人気が偏っている状況や、拡張パーツの価格が車輌Tierにあわせて設定されていない価格面の問題など、いくつかの問題点があったという。拡張パーツ2.0では、拡張パーツに選択の多様性をもたせ、選択や使用をシンプルにすることで、問題の解決が図られたわけだ。
まず、新システムでは拡張パーツに火力/生存性/機動性/偵察性能の4カテゴリーが登場。高Tierの車輌にはカテゴリの割り当てられた搭載スロットがあり、同じカテゴリのパーツを装備させると、追加効果が適用される。また、拡張パーツに3つのクラスが設定された。クラス3はTierIIからIVなど、車輌Tierに応じたクラスのパーツが装備可能で、クラスが上がると価格も上昇する。従来のシステムでは、改良型サスペンションに21のバージョンが存在したが、クラス分けと共に同タイプの拡張パーツも統一されており、改良型サスペンションも名前を変えて3つのクラスに統合されている。そのほか、既存パーツに対するバランス調整や新たな拡張パーツも追加されている。
続いて、マップ「珠江」が大幅な改善と共に再登場した。珠江は、車輌タイプによって十分なポテンシャルが発揮できないことを理由に、2015年にランダムマッチから削除された戦場。かつては、直線的な地形や複雑なルートが不評だったそうだが、同時にその癖の強さから根強い人気を誇っており、アップデート1.10で再登場することになったという。
新しい珠江では、デザインの大幅な見直しが行われている。中国南部の陽朔県などをモデルに製作されたアジア風の景観は、以前よりも温暖で熱帯的な雰囲気に。マップ上のオブジェクトは新しいものになっているほか、石灯籠など20種類上の小さなオブジェクトも追加されているそうだ。
アップデート1.10では、6輌の車輌からなるポーランド中戦車ルートも追加されている。新車両の開発は、TierIV軽戦車14TPからスタート。「T-34」と同程度の車輌特性と単発ダメージ/貫通力の優秀な主砲を備えた「DS PZInż」、加速と俊敏性を持ち高単発ダメージの主砲を備えた「B.U.G.I.」、ガスタービンエンジンと優秀な主砲を装備した「CS-63」など、高性能な主砲を持っていることがこのルートの特徴であるようだ。また、車輌のバランス調整や、戦闘コミュニケーションシステムの改善も実施されている。
PC版『World of Tanks』は、基本プレイ無料で配信中。2020年10月までの期間は、10周年を記念したイベントも開催中だ。また、ウォーゲーミングジャパンの公式サイトが、先日新しくオープンしている。