ポーランドのゲームスタジオBloober Teamは7月24日、「Xbox Games Showcase」にて『The Medium』の最新映像を公開。現実と霊界の「2つの世界を同時レンダリング」する、デュアルリアリティ・ゲームプレイ機能を特徴とした、三人称視点サイコロジカルホラーゲームであることが判明した。開発元のBloober Teamは今年5月の作品発表時、次世代機向けのゲームだからこそ実現できる、特許付きの独自機能を備えていると話していた(関連記事)。その独自機能こそが、今回発表されたデュアルリアリティ・ゲームプレイ機能である。
Xbox Series X/PC(Steam)向けに開発されている『The Medium』は、先述した特許技術によって、現実と霊界、2つの世界を同時にレンダリングし、画面に表示する。『Layers of Fear』『>observer_』といったホラーゲームづくりに定評のあるBloober Teamにとって、もっとも野心的な作品と言ってよいだろう。サウンドトラックも、『サイレントヒル』シリーズの楽曲を手がけた山岡晃氏と、Bloober Team のArkadiusz Reikowski氏のデュアル体制で制作されている。
とある不穏な幻影に取り憑かれた主人公マリアンヌは、その幻影に導かれるようにして、ポーランド南部クラクフにある廃墟化したリゾートホテルを訪れる。彼女は霊能者であり、現実と霊界という2つの世界を探索しながら、ホテルに隠された謎を解いていくこととなる。霊能者としての能力を駆使し、デュアルリアリティ機能を活かしたパズルを解き、2つの世界を見渡せる彼女だからこそ解き明かせる不穏な真実に近づいていく。「ザ・モー(The Maw)」と呼ばれる、忌まわしき悲劇から生まれた悪霊との接触をなんとかして切り抜けながら。
プレイヤーは、現実と霊界、どちらか片方の世界だけを探索することもあれば、2つの世界を同時に見渡しながらプレイを進めることもある。現実世界の方だけを見ていると突破不可能と思える局面やパズルも、霊界に目を向けることで解けるようになる。2つの世界を同時に探索できるように、コントローラーのボタン割り当ても工夫されているとのこと。デュアルリアリティ・ゲームプレイという特許技術によって、これまでにないゲーム体験を届けられるという。
またマリアンヌは現実と霊界で使えるスキルが異なる。たとえば霊界では幽体離脱が可能。現実世界の肉体では到達できない場所を調べられる。ただしマリアンヌの肉体に負担をかけてしまうため、霊体のまま長時間彷徨うのは危険だ。そのほか霊力でバリアを張ったり、強力な霊力波を放ったりと、これまでのBloober Team作品よりもアクション性は高そうだ。なお霊界は現実を暗い鏡に映したような世界であり、人の悪行や邪悪な本能、穢れた秘密が実体となって現れる。こうした世界観は、ポーランドのシュールレアリスム画家ズジスワフ・ベクシンスキーの絵画から着想を得ているとのことだ。
ホラーゲームとしての新境地に挑む『The Medium』はXbox Series X/PC(Steam)向けに、2020年の年末リリース予定。Steamストアページの対応言語一覧には日本語も含まれている。