「対魔忍」が執念をもってSteam進出果たす、その名も『対魔忍コレクション:アサギ 決戦アリーナ』

Infini-Brainは7月9日、『対魔忍コレクション:アサギ 決戦アリーナ』をSteamにて配信開始した。「対魔忍」シリーズがついにSteam進出を果たしている。

パブリッシャーInfini-Brainは7月9日、『対魔忍コレクション:アサギ 決戦アリーナ』をSteamにて配信開始した。基本プレイ無料タイトルとして配信されており、ログインボーナスやガチャといった要素が存在するゲームとなっている。ゲーム内は日本語対応。なお、18歳未満はプレイできないので注意が必要だ。


『対魔忍コレクション:アサギ 決戦アリーナ』は、カードを収集するソーシャルゲームだ。2014年DMM GAMESより配信された『対魔忍アサギ 決戦アリーナ』をベースに、神経衰弱を楽しむ作品に仕上げられている。できることは限られており、やたらとセクシャルなカードをめくっていく神経衰弱をしつつ、ゲームポイントを稼ぐ。また対魔石(青)と対魔石(赤)を消費してカードガチャを引ける。200種類以上の豪快セクシーなイラストを楽しもう。カードについては「毎月50くらいを目標にカード追加していきたい」とも語られている。

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神経衰弱の演出は派手で、コンボやタイム増加やヒント要素が存在しているものの、ゲームプレイ自体は極めてシンプル。むしろ本作の目玉は、カードそのものにあるだろう。シリーズを統括する笹山逸刀斎氏は、Steam版の配信告知にあわせて、「対魔忍 3000」なるサイトを案内している。トップ上にデカデカと記載される「Download Taimanin Collection R-18 Patch」の文字からわかるとおり、外部パッチを配布するサイトである。本編の性表現は抑えつつ、外部パッチにてそのボリューミーなCGを解禁する形式をとっているわけだ。神経衰弱はフレーバー程度となっており、エロCGにゲームがついてきたとも言えるほど割り切られたゲームとなっている。一方で、あくまで外伝のひとつがリリースされたのみだが、Steamにてリリースを果たしたこと、そのものに意義があるだろう。

というのも、「対魔忍」シリーズはこれまでSteamにて配信を却下され続けてきたのだ。豊満なビジュアルのキャラクターとクセの強い官能テキストなど、強い個性を発揮し人気を獲得してきた「対魔忍」。原点であるビジュアルノベルだけでなく、ソーシャルRPG『対魔忍RPG』や『アクション対魔忍』など、多岐にわたる展開を果たしている。しかしながら巨大プラットフォームSteamにおいては、「対魔忍」に前に大きな壁が立ちはだかっていた。


まず昨年9月に『対魔忍アサギ』の配信を試みたが、ほどなくしてリジェクトされた。配信停止を受け、笹山氏はその背景を説明。「Steamで審査中だった対魔忍アサギ1が残念ながらNGとなりましたが、Steamでは未成年と疑うかもしれないビジュアルの審査が非常に厳しいという事を学びました」「未成年と疑われる表現規制は日本でも年々厳しくなっているので、そこは無理をしないだけだと理解してください」と語っていた(関連記事)。

リジェクトされたものの、笹山氏はSteam展開について諦めない姿勢も見せていた。Steamではジャブの如く『対魔忍アサギ・体験版』と『対魔忍ユキカゼ・体験版』をリリースし様子見。大きな動きはなくとも、Steam進出を目指す希望の灯火は燃え続けていたのだ。そうした背景を踏まえれば、神経衰弱ゲーム『対魔忍コレクション:アサギ 決戦アリーナ』は、「対魔忍」シリーズにおける大きな一歩となるだろう。商業的な成功も重要であるが、正式にタイトルをリリースしたことそのものが、成功と言えるだろう。笹山逸刀斎氏も、外部パッチ配布サイトを記載しつつ「いつかみたあの光景が再び」「対魔忍は絶対諦めない!!!」と、持ち前の躍動感のあるテキストをもって、今回のリリースを喜んでいる。

一方で、旧作のリリースがなかなか果たせていないのも事実のようだ。旧作に付随する「学園要素」が、18歳未満のキャラの性表現を禁ずるSteamのポリシーと取り合いがついていないのかもしれない。そう考えれば、キャラ設定が掘り下げられていないという点も、『対魔忍コレクション:アサギ 決戦アリーナ』の認可が降りた理由とも考えられそうだ。ちなみに、本作においては起動してからメニュー画面に至るまでの短時間に2度「ゲーム内に登場するキャラは18歳以上である」との警告が表示される。こうした姿勢からも、「対魔忍」シリーズが「18歳の壁」に細心の注意を払っていることがうかがえる。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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