開発難航が伝えられているオープンワールド・ゾンビアクションゲーム『Dead Island 2』だが、そのゲームプレイ映像が先週末あたりからYouTubeなどに多数投稿され話題となっている。海外フォーラムを通じて本作のビルドが流出したことが原因で、入手したゲーマーが早速プレイしているようだ。
シリーズ前作では、架空の南国の島にてゾンビ相手にサバイバルをおこなったが、『Dead Island 2』はそれから数か月後の米国カリフォルニア州が舞台。ロサンゼルスなどいくつかの都市がオープンフィールドとして用意され、ここでもゾンビアウトブレイクが発生している。プレイヤーは、ゾンビウイルスに免疫のある4人のキャラクターから選択し、ゾンビや敵対する人間と戦う。武器クラフト要素も健在で、協力プレイは最大8人をサポートする。
今回流出した『Dead Island 2』のビルドは2015年のものとのことで、後述するYager Developmentが手がけていた当時の内容となっている。上述のゲーム概要はその当時発表された内容であり、投稿されたプレイ映像でも、男女4人のプレイアブルキャラクターや、ロサンゼルスのサンタモニカ・ピアらしきロケーションが確認できる。マップ内の構造物やNPCに仮のアセットが使用されていたりなど、まだ開発途中のビルドであることをうかがわせるが、それなりに作り込まれた状態で十分プレイに耐える内容となっていることが分かる。マルチプレイも可能なようだ。
『Dead Island 2』は、もともと2014年のE3にて発表され、2015年春に発売予定とされていた。開発を担当していたのは、それまでのシリーズ作を手がけたTechlandではなく、『Spec Ops: The Line』などで知られるYager Development。しかし、2015年になって同スタジオが開発から離れることが発表された。販売元Deep Silverとのビジョンの違いが原因だったという(関連記事)。
その後は、開発を継続していることは折に触れて公式に公表されるも、発売予定時期は未定となり、ゲーム自体の続報は途絶えた。この間には、『チームソニックレーシング』などの開発元であるSumo Digitalが開発を引き継ぎ、さらにDeep Silverの内部スタジオDambuster Studiosへとバトンタッチしていくなど、開発が難航していることをうかがわせる情報だけが出てきている。Dambuster Studiosは『HOMEFRONT the Revolution』を手がけた実績があり、現在も同スタジオが『Dead Island 2』の開発を続けているものと思われる(関連記事)。
今回リークした『Dead Island 2』のビルドは、誰が何の目的で流出させたのかは不明。本作は、2014年のgamescomにてプレス向けにプレイアブル出展されたため、目新しい情報はあまり多くはなかったかもしれないが、一般のゲーマーにとっては、リークされた初期ビルドではあるものの実際に触れられる貴重な機会となったようだ。もっとも、先述したように本作は発表から6年が経ち、この間には担当デベロッパーが次々に変わっている。舞台設定からゲームシステムまで、当初の設定をどこまで維持しているのかは分からない。Dambuster Studiosがいま手がけている内容は、今回見られたプレイ映像から大きく変化している可能性もあるだろう。
本作の販売元Deep SilverやTHQ Nordicを傘下に持つEmbracer Groupは、今年5月におこなわれた決算発表の場にて、2021年以降はAAAタイトルを毎年リリースしていく方針を明らかにしている。その中には『Dead Island 2』も含まれていると思われ、今回にわかにふたたび注目を集めることになった、人気シリーズの続編である本作の続報が待たれる。