SFスリラー『Observation』Steamで配信開始、50%オフのセール中。宇宙ステーションを司るAIとなり、生存者の彼女を連れ出せ

スコットランドのデベロッパーNo Codeが手がけ、Devolver Digitalがパブリッシングを務めるSFスリラー『Observation』が5月22日、Windows向けにSteamで販売開始された。これを記念して5月29日まで50%オフのセールを実施しており、現在は1285円で入手が可能だ。なおPC版はEpic Gamesストアでも販売されており、こちらは6月12日までディスカウント価格の1290円で入手可能。このほか、PS4向けにも配信中。なお本作は字幕とインターフェースが日本語に対応している。

『Observation』は2019年5月にEpic GamesストアおよびPlayStation 4向けにリリースされた作品。今年の4月には英国アカデミー賞ゲーム部門(BAFTA Game Awards)にてBRITISH GAME部門を受賞している。発売から1周年を迎えた今月、いよいよSteam版がリリースされたはこびとなる。

スポンサーリンク

舞台は2026年の宇宙ステーションだ。あるとき突如としてステーションは謎のダメージを受け、搭乗していたはずのクルーはひとりを残して全員姿を消してしまう。取り残された唯一の乗組員、エマ・フィッシャー博士はステーションのシステムを使い、事態の真相を探ろうとする。ただし、物語の主人公はフィッシャー博士ではない。彼女は孤立していたが、ただひとつの協力者が存在した。ステーションのあまねく機能を司る存在、人工知性のS.A.M.である。プレイヤーはAIのS.A.M.となって、ステーション内のシステムを操作しながら博士を導くことになるのだ。


本作は、一種の一人称パズルである。しかしこの「一人称」が非常に異質な視点となっている。なぜならプレイヤーが見るのは機械の眼だからだ。作中では、施設内の各所に設置された監視モニターごしにステーションの内部や博士の様子をうかがうことになる。カメラを切り替えることで各エリアの状況を探ったり、博士が提供してくれる装置でドローンのように動き回りながら辺りを見回すこともできる。だが、「あくまでカメラのレンズ越しにしか見ることができない」という状況は独特の閉塞感をもたらす。可動域の狭い定点カメラや小回りの効かない可動装置の不自由さに加え、視界には時おりエラーのような図像と謎のメッセージが浮かぶのだ。あくまで借り物の視界でしか周囲を見渡すことができず、その眼には絶えず幻影が入りこむ。一人称視点でありながら、自分が見ている世界を信用できないという不安感が常に息苦しさをもたらす。そしてその不信感はやがて、プレイヤーの分身であるはずのS.A.M.という機械へと向けられる。主人公でありながらその依代に没入できない違和感が、通奏低音のようにじわじわと恐怖感をあおっていくのだ。


開発元No CodeのTwitterでは、本作の1周年を祝してさまざまな裏話がリプライツリーで公開されている。たとえば一時期、ゲームのタイトルは『The Loss』と命名されていたという。さまざまな意味合いが引っ掛けられているが、その由来のひとつは作中に登場する「Low Orbiting Space Station(低軌道宇宙ステーション)」の略称でもあるそうだ。プロジェクトがより明確になるにつれ呼称は変更され、現在の『Observation』となった。作中でプレイヤーがなすべきこと、そして何者であるかを表し、より大きな作品全体のプロットに関わるタイトルに落ち着いたのだ。このほか開発初期の画面ショットも公開された。コメントには「プロのTIPS:二度とゲームを六角形構造で設計してはいけない」と添えられており、本作のマップ設計がいかに困難だったかを物語っている。

スポンサーリンク

ところで本作は2018年の発表当初はPS4およびSteamでのリリースが伝えられていた。ところが2019年春になると突然Steamでの販売ページが消滅する。追って、PC版がEpic Gamesストア独占販売となることがアナウンスされた(関連記事)。Epic Gamesストアによる強行的な独占に対する反発が高まるなか、ストア移動についてコメントを控えるDevolver Digitalには多くのユーザーから落胆の声が寄せられていた。今回のSteam版リリースは、おそらくEpic Gamesストアによる1年間の時限独占が切れたことで晴れてお披露目となったかたちだろう。Devolverによる発表ツイートにはファンから喜びの声が寄せられるとともに、「Epicが独占した1年後にSteamにくるゲームはみんな少なくとも50%オフにすべきだ」と皮肉を込めたコメントも見られる。いずれにせよ、今回のSteam版リリースはより多くのプレイヤーに本作が届けられるきっかけとなるだろう。

『Observation』はWindows向けに、Steamにて配信中。5月29日まで50%オフの1285円。またEpic Gamesストアでは6月12日まで50%オフの1290円で入手できる。このほか、PS4向けにも配信中。日本語字幕とインターフェースが対応している。

ニュース

Indie Pick

インタビュー

レビュー・インプレ

Devlog