手描き調ビジュアルノベル『If Found…』日本語対応で配信開始。日記の思い出を“消すことでしか”なしえない、「本当の自分」を探す物語
パブリッシャーのAnnapurna Interactiveは本日、ビジュアルノベルゲーム『If Found…』を配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)/iOS。販売価格は、Steam版が1320円、iOS版が610円。Steam版は日本語に対応している。
『If Found…』は、絆を探し求めることをテーマとしたビジュアルノベルゲーム。あたたかみのある手書き風イラストや文字で描かれるシーンを、消しゴムの形をしたポインタを操作して消していくことで物語が進行するという、独特なシステムが採用されている。
本作は、2つの時間軸で構成されている。メインとなる舞台は、1993年12月31日のアイルランド・アキル島。あちこち壊れてボロボロの廃屋で、主人公カシオは自分の思いが詰まった日記を消しゴムで消していく。もう一方の時間軸は、ブラックホールによって世界が崩壊の危機を迎えている中で、カシオが世界を救うために宇宙を旅するという世界。この2つの時間軸が絡み合って、物語が紡がれていく。
ストーリーの鍵となるカシオの日記は、1993年12月3日のできごとから読むことができる。日記を通して、カシオが大学生活から離れてアイルランド西武の実家に帰ったことや、家族に「本当の自分」を受け入れてもらえず言い争いになってしまったこと、旧友に会ったり新しい友だちができたことなどを振り返りながら、彼女が抱えるさまざまな悩みや感情を追体験していく。
カシオの抱える悩みのひとつは、彼女が女性として生きたいと思っていること。カシオの実家やその周りの地域ではカトリックの影響が強いこともあり、「ありのままの自分」を受け入れてもらうことができなかった。カシオは「普通」を強いられる環境から逃れるように、友達である同性カップルのコラムとジャック、そしてそのバンド仲間であるシャンズと暮らし始める。
友人たちとの関わりによって生まれるカシオの内面の変化や、カシオが孤独に見つめ直す「本当の自分」は、すべて日記に記されている。それらを消しゴムで消していくことでしか、日記を読み進めることはできない。
前述のとおり、本作は、消しゴム型のポインタによって画面上に表示されたイラストや文字を消すことでゲームが進んでいく。消しゴムのサイズは設定画面から細かく調節が可能。小さめのサイズにしてイラストや文字を追いながら消していったり、大きめのサイズにして広い範囲を一気に消すこともできる。しっくりくる消しゴムのサイズが見つかれば、物語への没入感が増すかもしれない。設定画面はいつでも開けるので、ゲームを進めながら好みのサイズに調節するとよいだろう。