『テラリア』発売9年目にしてかつてない人気、一時は同時接続ユーザー約50万人に。レビュー欄は開発元への感謝の声であふれる

『Terraria(テラリア)』が発売9年目にして、再び脚光を浴びている。Steam同時接続ユーザー数は5月17日に過去最高の48万9886人を記録し、アツい注目を浴びている。

『Terraria(テラリア)』が発売9年目にして、再び脚光を浴びている。Steam同時接続ユーザー数は5月17日に過去最高の48万9886人を記録(SteamDB)。これは2015年6月に記録した15万9171人を大きく上回るもの。Steamの現在のプレイヤー数ランキングにてトップ10に安定してランクインしており、『CS:GO』が守る王者の座を虎視眈々と狙っている。『テラリア』は今、かつてないほどの人気を集めている。この人気は、大型無料アップデート「The Journey’s End」に付随したものだろう。


「The Journey’s End」は、『テラリア』1.4パッチにして、最終アップデートとなる無料の追加コンテンツ。1000以上のアイテムの追加、複数の新モード追加、新モードのための専用システム導入、既存システムの変更に、多岐にわたるバランス調整を施しており(関連記事)、パッチノートも膨大だ。1.3のパッチノートも長大であったが、1.4はそれに負けじとも劣らない。

外伝として開発され制作中止となった『Terraria: Otherworld』のコンテンツの一部も今回のアップデートでは実装されていることもあり、内容は多彩だ。やり込んだユーザーも、そうでないユーザーも、さまざまな点で新鮮さを感じられる、有終の美を飾るに相応しい内容になっているだろう。なおパッチノートの日本語については、翻訳家のToyoch氏の投稿を見ることをおすすめしたい。

発表時から注目度の高かった「The Journey’s End」であるが、遊びの幅を広げつつも深化させる、期待を裏切らないクオリティのアップデートとなっており、ゲーム実況者もこぞって『テラリア』の世界へと突入。Twitchの視聴者数ランキングでも上位に顔を出している。話題が話題を呼び、“テラリアフィーバー”が発生している。Steamフレンド上で『テラリア』を遊ぶユーザーを数多く見かけた人もいたことだろう。今となってはその地位を不動のものとしている『テラリア』であるが、『マインクラフト』と比較される時期もあった。2009年に誕生した『マインクラフト』は、サンドボックスの寵児として注目を集めていた。クラフトを主体としたサンドボックスゲームとしてリリースされた『テラリア』は2D版『マインクラフト』と呼ばれることもあり、盗作と呼ぶユーザーもいた。しかしそれは、彼らがゲームを遊ぶ前の話である。


『テラリア』は、2Dならではカジュアルさと遊びやすさ、そして戦闘など、独自の魅力を持つタイトルとして人気を獲得。ゲームにおける戦闘のウェイトが高く、戦闘を強化する装備探しという点で冒険の動機づけが機能しているのも『テラリア』の強みだろう。そして今回のアップデートでもあるように、大型無料アップデートを繰り返すことで、ゲームとしての幅が広がり、その地位を揺るぎないものとした。おなじみのバイオームやアイテムの中には、アップデートで追加されたものが大量にある。

Steamレビューは、開発元であるRe-Logicへの感謝の意を示す投稿で埋め尽くされており、その好評の多さはSteamのレビュー爆撃検知システムが反応するほど。発売されてからすぐさま『マインクラフト』コピーの烙印から逃れ、コミュニティと対話し、アップデートにより評価を重ね続けてきた『テラリア』。そうしてコツコツ積み上げてきた努力が、発売から9年を際した今回の最終アップデートにて、わかりやすく実を結んだと言えるかもしれない。


なお、『テラリア』はセールスにおいても、全世界売り上げ上位の首位を独走中。値引きなく販売されているということで、多大な利益がRe-Logicには入ってきているだろう。ちなみに『テラリア』といえば、Steamユーザーの間では2.49ドルの安価でセールされているイメージが強いかもしれないが、実は最後に2.49ドルでセールされたのは4年前。定期的に半額セールは実施されているが、ここ4年ほど大幅な値引きはない。ライブラリにあるユーザーも定価購入の新規ユーザーも、この“テラリアフィーバー”をその肌で感じてみるといいかもしれない。

アップデートをするたびに最後になることを示唆しつつも、結局続いてきたことから“終わる終わる詐欺”とも称されてきた『テラリア』無料アップデートであるが、今度こそ本当に大規模アップデートは終了するようだ。ただし、今回のアップデートにより生じた不具合は修正されている最中で、バグ対応などは続けられていくという。『テラリア』にて頭角を現したRe-Logicの、次回作に期待を寄せたい。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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