Epic Gamesストアにて、『Death Coming』の無料配布が開始された。無料配布期間は、5月15日0時まで。期間中に入手しておくと、配布期間終了後もプレイ可能だ。なお、先週からEpic Gamesストアの無料配布作品の入手には、認証コードアプリ、携帯端末を使ったSMS認証、メールアドレスによるメール認証、いずれかの2段階認証が必要である。
『Death Coming』は、死のピタゴラ装置を操り、死神として人間の魂を回収するコミカルな死のシミュレーターだ。主人公は、なんらかのアクシデントにより死んでしまった男性。彼は記憶を失っており、目の前に泣いている女性がいるものの、彼女がどうして泣いているのかすらわからない。そんなところへ、骸骨の顔にローブと鎌を持ったステレオタイプな死神が登場。「生き返りたいなら、鎌を取り死神の仕事をしろ」という死神の言葉に従い、主人公は世界に死を振りまき、混沌をもたらす。
急遽死神に代わり魂の回収業に励む事態に陥った主人公だが、死神の力は有限で、直接キャラクターへ干渉して命を刈り取ることはできない。具体的には、干渉できるものがマップ中に存在する危険物に限られているため、壁面に設置されたクーラーの室外機を落下させたり、ドラム缶を転がしたり、閉じ込められた猛獣を解き放ったりなど、間接的に死を演出する。危険物から離れた位置にキャラクターがいる場合には、電話を鳴らしたりといった、その場所から離れたくなるような現象を起こし、死の射程範囲まで誘導して魂を頂戴していく。
また、マップ中には死が連鎖するギミックも用意されている。たとえば、看板の下を往復している男が居たとしよう。看板を落下させて彼を殺すのは容易いが、行動を観察しているとただ往復しているわけではなく、荷物の運搬を行っている時もあり、運搬中を狙って殺すとさらなるハプニングが起こったりするわけだ。タイミングを見計らって作動させると複数の人間が巻き込めるものや、死によって進行するイベントや起動可能になるギミックもあり、マップをよく見て、どうやって大勢を死へ導くか考えるようなパズル要素のある作品になっている。
本作では、人は死に血は出るものの、デフォルメされたドット絵で描かれているため、あまりグロテスクさは意識せずにプレイ可能。宇宙人が密かにやってきている街、仮面を被った特徴的な髪型の工場長がミサイルを作っている工場、サンタ風の泥棒が暗躍する雪景色の街など、それぞれテーマ性を持ったステージが搭載。ステージごとに、主人公と何らかの関わりがあるターゲットや、死によって進行していくイベントも収録されている。
なお、Epic Gamesストア版を筆者の環境で日本語に設定して起動させると、中国語と英語の混ざった状態になる現象が確認できた。正常に日本語でプレイできるSteam版が現在バージョン1.1.631なのに対して、Epic Gamesストア版は1.1.699。Epic Gamesストア内のページには、対応言語に日本語も含まれているため、日本語で同ストア版をプレイしたい場合には、バージョンアップを待つことになりそうだ。
【UPDATE 2020/05/08 13:50】
5月8日、Epic Gamesストア版『Death Coming』のアップデートによってバージョンが1.1.700となり、日本語に対応するようになった。
本作を開発したのは、上海のゲームスタジオNEXT Studiosだ。最近では、2体のロボットが協力してステージを進んでいくCo-opパズル『Biped』をSteamでリリースしているほか、現在はローグライクダンジョンRPG『Crown Trick』を開発中。また、Steamでの『Death Coming』早期アクセス時には、手違いによって1日で早期アクセスを終了させてしまう事故が発生。経緯と状況をプレイヤーに説明し、その後正式なリリースを迎えている。
事故を発生させて死を招く『Death Coming』Epic Gamesストア版は、5月15日0時までの期間無料で入手できる。なお、次週の同ストアの無料配布作品は内容が明かされておらず、5月15日の配布開始時にタイトルが判明するようだ。