『Fallout 76』ゲーム内にてプレイヤーを助けてきた「親切おじさん」が現実で火災に遭う。コミュニティは「募金」で恩返し

Image Credit : Dr. C.J. Martin

Fallout 76』の有名ロールプレイヤーが現実で火災被害に遭い、彼を助けるための基金がコミュニティで立ち上がった。海外メディアのPolygonが伝えている。

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“CJ Martin”の名を聞いて膝を打つウェイストランダーは少なくない。「ドクター」CJ MartinことBrent Fairchild氏は、『Fallout 76』でももっとも有名なロールプレイヤーのひとりだ。同氏は、本作をローンチ当初から遊んでいる古参ユーザー。しかし当の本人はいまだにチュートリアルすら終えていないという。

では何をしているのか。彼は、核ミサイルが着弾した跡の危険エリア・ブラストゾーンの端に「医療用テント」を開いた。そこでドクターは回復アイテムのスティムパックを安価に販売している。CJ Martinが演じているのは、「RPGの親切なおじさん」なのだ。

彼の試みは、はじめはごくささやかなものだった。わずかばかりの回復アイテムをギフトに包んで、ほかの誰かが拾えるようにマップに置いておく。またブラストゾーンのそばに拠点を構え、高難度コンテンツに挑むプレイヤーたちに治療を施す。この親切な医師のうわさは徐々にアパラチアで広まり、それに連れてドクター・Martinの活動の幅も拡大していく。やがて、資金の豊富なプレイヤーから投資を受けるようにまでなった。

今や「ドクター・CJ Martinのヘルスクリニック&ファーマシー」は、多くの従業員を要する一大組織となっている。Martinはより多くのスティムパックを供給するため、原材料調達・生産管理・物流・販売を担うスタッフを雇った。あるいは診療所の安全を守るための用心棒や、医療従事者に食事を提供するためのシェフまで雇用されている。

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従業員には給料どころか、有給休暇やボーナスまで与えられるという。大規模なコミュニティ運営のおかげで、今や1日に2000個ものスティムパックを生産できるようになった。そして利益度外視でそれらをプレイヤーたちに販売している。CJ Martinは「町の外れの親切なNPC」から、「経済を生み出す共同体の大黒柱」にまでなった。

このほか初心者のためのPERK練習場を設けたり、上級者のためにオリジナルのクエストを考案したり、CJ Martinの活動の幅はとどまるところを知らない。彼がいかにウェイストランドで愛されていたかは「さるレイダーグループですら医師の肩をもち、守ろうとした」というエピソードからもうかがえるだろう。

Image Credit : Doc C.J. Martin of Fallout 76 House Fire

そんなドクターが火事に遭った。正確には被害を受けたのはMartin医師ではない。現実世界のFairchild氏その人が、5月2日に自宅で大きな火災に見舞われた。彼の妻や子どもは救出されたものの、Fairchild氏自身は深手を負ってしまった。手・顔・足に深刻な火傷を負い、重篤な煙の吸入によっても苦しんでいるという。同氏はフィラデルフィアのジェファーソン火傷治療センターに運び込まれた。

Fairchild氏は回復の傾向にあるものの、家族が暮らしていた家は深刻な損害を受けてしまった。そこで立ち上がったのが、『Fallout 76』コミュニティを通じた基金である。発起人のKenneth Vigue氏は「いかなる助力にも感謝します」と述べると同時に、CJ Martinのクリニック公式Facebookページに励ましの言葉を寄せるように促した。そして5月5日現在、基金には160名を超える賛同者が集い、寄付金は6000ドル(約64万円)以上にもおよぶ。Vigue氏によれば、Fairchild氏は一連の動きを知り涙を流したと伝えられる。

世界が滅び、略奪者とミュータントがはびこる不毛の地アパラチア。そこで善意の種をまき続けたひとりの医師が、いま逆にゲームの世界に助けられようとしている。Fairchild氏とその生活が1日も早く平穏を取り戻し、愛すべきドクターが再びウェイストランドに降り立つそのときを市民たちは待ち続けている。Fairchild氏への基金には、GoFundMeからクレジットカードで寄付を送ることが可能だ。

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