モンスターによる人間復讐アクション『Darkborn』開発中止。謎だらけの顛末


インディースタジオThe Outsidersは4月30日、『Darkborn』の開発中止を発表した。『Darkborn』は、子供のモンスターを主人公としたステルス・アクションゲーム。両親の命を奪われたモンスターが、力を蓄え人間に復讐するという、ユニークな作品として開発されていた。The Outsidersは、かつてDICEに所属し、Overkill Softwareにて『PAYDAY 2』のディレクターを務めたDavid Goldfarb氏らによって設立。『Ancestors: The Humankind Odyssey』や『The Outer Worlds』など、中型オリジナルタイトルを販売するPrivate Divisionよりリリースされる予定であった。しかし、日の目を見ることはなさそうだ。

『Darkborn』は、もともと「Archenemy」や「Project Wight」といったコードネームで開発されており、最終的なタイトルは『Darkborn』となった。ゲームとしては、知能を持ったモンスター種の最後の生き残りとなり、迫害を続けるヴァイキングの人間たちに復讐する一人称視点のステルスアクションとして作られていた。死んだモンスターにふれたり、人間の殺害を成功させたりすることで、能力を得たり能力が強化される要素を導入。モンスター視点で両親が殺害される過程をナラティブに描いたトレイラーは、その衝撃的な内容から話題を呼んでいた。しかし昨年4月に新映像が公開されて以来、続報が途絶えていたほか、開発中止を予兆とさせる不穏な話が飛び交っていた。それはパブリッシャーとの契約終了だ。

冒頭で述べたように、本作はPrivate Divisionをパブリッシャーとし発売される予定だった。しかし2019年7月、The OutsidersとPrivate Divisionの契約が終了していたことが判明。もっといえば、契約は2018年末時点ですでに終了していたという。2019年4月に『Darkborn』として正式発表されていたが、その時点でパートナーとなるパブリッシャーが存在していない状況だったのだ(関連記事)。

The Outsidersは今回の発表においても、『Darkborn』開発中止の理由に言及していない。4年間という期間を振り返り、開発中止は難しい決断だったとしつつ、将来的に開発が再開される可能性があることも示唆している。また、現在は別のプロジェクトに取り組んでいることも明かしていた。なぜ契約解除に至ったのか、そしてなぜゲームが開発中止となったのか。多くのことが謎に包まれているが、金銭面をサポートするパブリッシャーなき状態で、長い期間にわたりそれなりの規模のゲームを開発し続けることは困難。財政面に関連した事情があると推察できるかもしれない。