Unity アセットストアの利用規約および使用許諾の解釈が変更。同ストア上のアセットが、UE4など他のゲームエンジンでも利用できるように


Unity Technologies Japanは4月13日、Unity アセットストアの利用規約および使用許諾(EULA)の解釈を変更したと発表した。解釈の変更は、より自由な発想で創作活動を行ってもらうために行われるもの。変更後には、今までUnityで最終的なビルドやUnityをレンダリングエンジンとして使う場合に限られていた同ストアのアセット利用が、そのほかのゲームエンジンでも行えるようになる。ただし、一部の特別な規約が適用されているアセットについては、従来どおりでUnityでの利用に限られるという。

今回発表されたUnity アセットストアの利用規約および使用許諾の解釈変更は、現在の需要にあわせるためのものだという。アセットストアのサービスが開始された10年前から、基本的な理念に変更はないが、より一層のびのびと自由な発想で創作活動が行えるようにする目的で、現在の需要にあわせて解釈変更が実施。これまで、Unityアセットストア上で販売されているアセットの全部または一部の利用は、Unityで最終的なビルドを行ったり、Unityをレンダリングエンジンとして採用する、ゲームやインタタクティブメディア・ノンインタラクティブメディアでの組み込みに限られていた。しかし、解釈の変更が適用される2020年4月13日17時30分以降は、Unityに限らずゲームやメディアへ組み込むために利用できるようになる。要するに、Unity アセットストアで販売されているアセットを、Unreal Engine 4上などで利用することも可能になったわけだ。

ただし、今回変更が行われたのはあくまでUnity アセットストアの規約である。Unityがパブリッシャーとなって提供している一部のアセットを含め、特別な規約が設けられているアセットには、Unityでの利用に限定されているものもあり、これらは解釈変更の適用外になるという。また、Unity Companion Licenceにより配布されているアセットも、解釈変更の適用外となるようだ。なお、アセット作者が別途Unityでの利用に限定している場合などについて、アセットストア規約とどちらが優先されるかについては現在問い合わせ中である。

Unity アセットストアの利用規約および使用許諾の解釈変更により、同ストアで販売されているアセットが他のゲームエンジンでも使えるようになった。一方、Unityと双璧を成すゲームエンジンUnreal Engine 4向けのマーケットプレイスでは、マーケットプレイスの製品について、Epic Gamesによって制作されていないものは他のエンジンでも利用できる、とマーケットプレイス よくあるご質問(FAQ)内に記載されている。つまり、どちらで入手したアセットであっても、ゲームエンジンに限らず基本的には使用できるようになったわけだ。なお、Unity アセットストアでは、日本時間で2020年4月15日15時から4月30日15時59分までの期間、「Unity春のアセット大セール」が行われる。セール中は500以上のアセットが50%オフになり、日替わりセールも実施予定となっている。

【UPDATE 2020/4/14 15:30】
Unity Technologies Japanは、弊誌の問い合わせに回答した。Unity以外がパブリッシャーである場合、パブリッシャーが独自の規約を添付することは認められていない。そのため、独自規約が設けられているアセットがあった場合には、どちらかが優先されたり無効化されることはないそうだ。

独自規約を持つアセットが販売されていた際には、アセットが適正な状態になるまで一時期的なアセットストアからの削除対応などが行われ、パブリッシャーに対して是正を手配。発見次第同社に知らせるよう求められている。また、告知ページ上では、変更がアセットのサポート範囲を広げるものではない、という旨も追記されている。