『Cuphead』に似すぎていると評されたアクションゲーム再始動。差別化をはかり開発資金募る、でもやっぱり似てる

インディーゲームスタジオXixo Games Studioは4月3日、『Enchanted Portals』の続報を公開し、Kickstarterキャンペーンを近く開始すると発表した。本作は『Cuphead』に似すぎていると批判され、予定されていたKickstarterキャンペーンをとりやめ。半年もの時を経て、公に再始動した。

スペインのインディーゲームスタジオXixo Games Studioは4月3日、『Enchanted Portals』の続報を公開し、Kickstarterキャンペーンを近く開始すると発表した。あわせて、ゲームプレイを紹介する新動画も公開。本作は『Cuphead』に似すぎていると批判され、予定されていたKickstarterキャンペーンをとりやめ。半年もの時を経て、公に再始動した。

『Enchanted Portals』は、カートゥーン調で彩られるアクションゲーム。新米魔法使いの2人BobbyとPennyが、次元の狭間にとらわれてしまう。そんな魔法使いペアが元の世界に戻るため、魔法の本のページを復活させるべく、さまざまな愉快なボスと戦うことになる。足場を移動しながら手元から魔法を放ち、もしくは画面中を駆け回り、一癖も二癖もあるボスたちを倒していくのだ。なめらかなアニメーションの楽しげな動きが目を引く本作であるが、「カートゥーンデザイン」「ボスラッシュ」「ジャズサウンド」といった特徴はいずれも『Cuphead』と共通。システム、デザイン、コンセプトいずれも大ヒットアクションゲームに酷似しており、あまりにも似すぎていると批判されていた(関連記事)。

Xixo Games Studio自身も、『Cuphead』から強く影響を受けていることを認めている。しかしそこには愛があるとも。具体的には「私達はCupheadの熱狂的ファンであり、似たようなゲームを作りたいと思っています。それは、同作を愛しているからであり、常にCupheadへの敬意と称賛の意を持って取り組んでいます。(We’re both avid fans of Cuphead and wanted to make a similar game, but always from a place of love, respect and admiration for the original.)」とゲーム紹介ページに声明を出している。一方で、『Cuphead』に似ていることを批判するネガティブな声には困惑していると言及していた。こうした反応を受け、予定されていたKickstarterキャンペーンを一度延期。そしてこの度ようやくクラウドファンディングが開始されるようだ。

ゲーム発表後、数か月にわたり資金調達の方法を模索していたが、最終的にはKickstarterキャンペーンを実施すると決意したと語るXixo Games Studio。発表後から今までの期間においては、さまざまな変更点を加えたという。たとえば、よりダイナミックな体験ができるように、全体的なゲームスピードを調整したとのこと。また『Cuphead』と差別化するために、特別な要素やメカニクスを導入。その一環として、ワールドごとに異なる多彩なサウンドトラックがゲームに含まれるという。また、ボスバトル以外にも横スクロールで進んでいくステージも実装。多彩なギミックも搭載されたステージが用意されることとなった。そのほか、多くの要望を受けて対応プラットフォームにPlayStation 4が追加されることも発表されている。これで発売ハードはPC/Nintendo Switch/PlayStation 4となった。

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実際のところ、どのように変化したのだろうか。旧映像(上)と新映像(下)を比べてみよう。新たなゲームプレイ映像は、全体的にゲームスピードがやや上がった印象。また弾を撃つモーションでは手を振る動作がなくなっている。アニメーション自体さらになめらかになっているようにも見える。BGMもジャズだけではなく、多岐にわたるジャンルをミックスしたバリーション豊かなサウンドが確認できる。また横スクロールステージにおいては、ツタを渡っていくようなシーンも。ワニが出てくるタイミングで突っ込んだプレイヤーは食べられてしまっている。ゲームスピードの調整、モーションやエフェクトの変更、そしてBGM多彩化。全体的に、『Cuphead』から離れるアプローチがなされている。

さまざまな要素が追加されたとはいえ、やはり『Enchanted Portals』は『Cuphead』に似ているという印象は拭えない。横スクロールステージの導入は、ツタアクションなど独自性はあるにしろ、むしろオリジナルに近づけるアプローチ。システムも根幹が似ているので、差別化が完全になされたとは言い難いだろう。一方で、こうして新映像を公開していく過程で、同作の認知を重ねていくうちに“『Enchanted Portals』らしさ”を感じていく可能性もある。露出を繰り返していけば、より多くのプレイヤーに受け入れられていくかもしれない。

『Enchanted Portals』のKickstarterキャンペーンは、近日開始予定。うまく資金を得られれば対応プラットフォームは増やしていくと表明している。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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