『ダークソウル2』にて、“開発者の残したメモ”を表示させるModが話題に。マップ構成の意図から小言まで、舞台裏をのぞき見

フロム・ソフトウェアが開発を手がける『DARK SOULS』。同シリーズのPC版においては、現在も多種多様なModが開発・配布されている。「Developer Signs Restored」という名称の一風変わったModが現在注目を集めているようだ。

フロム・ソフトウェアが開発を手がける高難易度アクションRPG『DARK SOULS』。同シリーズのPC版においては、現在も多種多様なModが開発・配布されている。高画質化をはかるものから敵の配置をランダムにするもの、新たな物語を追加するModまでその内容はさまざま。そんななか、「Developer Signs Restored」という名称の一風変わったModが現在注目を集めている。

「Developer Signs Restored」は、ModderのTKGPが開発・配布する『DARK SOULS II』向けのMod。同Modを適用すると、通常ならプレイヤーの目に見えないはずのとある文章がマップ内に表示される。その文章とは、開発者が開発中に記した“メモ”のこと。具体的には、特定のフィールドにおけるマップデザインの意図や敵の情報などが書かれたテキストデータを指す。つまり「Developer Signs Restored」を導入することで、本来隠されているはずの『DARK SOULS II』開発陣が残したメッセージを読めるようになるわけだ。

では、具体的にはどのようなメッセージが残されているのか。ここからはその一例を見ていこう。まず上の画像、手前の橋の欄干部分に「奥の可動橋を目標として見せる」とのメモが残されている。またその奥側の橋には、「この橋だけ目立たなくする」と記されたテキストボックスも。稼働橋といえば狩猟の森だ。同エリアにおいては、ボス敵であるスケルトンの王にたどり着くまでに、からくり橋を降下させなければならない。前述したメモには、目立たない橋を用意することによって稼働させるべき橋を強調し、それをエリアの目的としてプレイヤーに提示させるといった意図が込められているのだろう。

こうしたマップデザインにおける意図や目的を示したメモは、ハイデ大火塔にも存在する。同エリアは、複数の広場が連なったような構造となっている。そして各広場では、古騎士および竜騎兵が待ち受けているわけだ。そうしたマップ構造もやはり狙って制作されていたようで、上の画像では「正面に大火塔」「左手に聖堂が見える」「正々堂々の戦闘」など、複数の解説が含まれたメモを確認できる。大火塔や聖堂は、プレイヤーにとって進むべき道を示すための。連なった広場は、1対1の戦闘を演出するための役割を担っていたのだ。

そして『DARK SOULS II』のプレイヤーにとって、印象に残ったであろう“あのエリア”にも開発陣はコメントを残していたようだ。そう、アマナの祭壇である。湖に落ちると即死することや、アマナの巫女による遠距離攻撃への対処が困難なことなどから、同エリアはシリーズのなかでも特に難易度が高い場所として知られる。そうしたクセの強さも相まってか、アマナの祭壇には大量の開発者コメントが。こちらではオブジェクトや敵に関する記述のほか、「水に浸かっていない道を進めば比較的安全に攻略できる」といった、一種の攻略情報のようなメモも確認できる。詰まっていた方にとっては、ありがたいヒントにもなり得る……かもしれない。

これまで挙げてきた例のように「Developer Signs Restored」Modでは、『DARK SOULS II』の開発陣が残したさまざまなメモを作中のあらゆるマップにて読むことができる。テキストが表示される具体的なエリア名は以下のとおり。

・忘却の牢
・溜りの谷
・土の塔
・隠れ港
・熔鉄城
・狩猟の森
・クズ底
・黒渓谷
・ハイデ大火塔
・聖人墓所
・アマナの祭壇
・王城ドラングレイグ
・不死廟
・古き闇の穴

ちなみに「Developer Signs Restored」Mod、配布自体は2018年におこなわれている。先日『DARK SOULS II』のプレイヤーであるTSU氏がTwitterにて、同Modを取り上げたことをきっかけに、2年越しに再び注目を集めることになった。実際Nexus Modsの「Developer Signs Restored」ステータスページを見ると、ここ3日のあいだにページビューワー数が2ケタ台からなんと、4ケタ台にまで跳ね上がっていることが確認できる。該当のツイートも本稿執筆時点で約4700リツイート/8500いいねを獲得しており、大きな反響を呼んでいると言えるだろう。

https://twitter.com/113sttsuk/status/1246011767496400896

また、ツイートと併せて投稿されたスクリーンショットにも注目。そこには「篝火3…だけど面白くない」や「こんな鉄格子はありえない」といった開発者の単なる小言と思わしきメモが映る画像も。なかには「ベイグラント鷹タクシー 到着地点」と謎すぎるテキストも「Developer Signs Restored」にて読めるようだ。そんな『DARK SOULS II』開発陣の努力と工夫、そしてユーモアあるつぶやきなどを覗きまくれる同Modは、現在Nexus Modsにて配布中。今まで存在を知らなかった方は、この機会にダウンロードしてみるといいだろう。

なお「Developer Signs Restored」Modは、完全版となる『DARK SOULS II SCHOLAR OF THE FIRST SIN』にも適用可能。ただしこの場合は、旧バージョンからのモデル形式の変更が原因で、正常に動作しない可能性もあるようだ。また同Modをインストールするには、外部パッチ適用Modである「UXM」を別途利用する必要がある点も留意して頂きたい。

Nobuya Sato
Nobuya Sato

最近Apexにハマり始めた人。幾度となく倒されながら高ランク帯を目指す。でも疲れる時もあるよね。その時はソロ専用ゲームをちょっとプレイして寝ます。

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