【UPDATE】『あつまれ どうぶつの森』で疎まれる「厄介者レース」に大型新人登場。スズキを上回るのはたまごかぴょんたろうか

『あつまれ どうぶつの森』での島の生活はいいことばかりではなく、時に意のままにならない事態に直面することもある。たとえばサカナ釣りだ。そんな思い通りにいかないイベントは、ネットミームに昇華されているようだ。

【UPDATE 2020/4/6 16:50】
記事初版にて、「スズキ」と「ブラックバス」を混合して記載しておりました。「Sea Bass(スズキ)」を「ブラックバス」と誤解したことにより生じた誤りでした。本文およびタイトルを訂正し、読者のみなさまにお詫び申し上げます。

【原文】
ゆったりと無人島暮らしを楽しむ『あつまれ どうぶつの森(以下、あつ森)』。島の生活はいいことばかりではなく、時に意のままにならない事態に直面することもある。たとえばサカナ釣りだ。現実のフィッシングがそうであるように、『あつ森』の中でも狙ったサカナは欲しいときほど現れない。つい先日までレア魚「イトウ」が釣り人たちを悩ませていたが(関連記事)、別の意味で彼らを悩ませる存在がいるようだ。その筆頭が大量に発生するサカナ「スズキ(シーバス)」である。

海でしばしば見かける大型魚。季節や時間帯を問わず頻繁に現れ、本作でもっともよく姿を見ることのできるサカナといえる。比較的大きな魚影を見せることから、大物を期待したプレイヤーがありふれたスズキを釣り上げてガッカリしてしまうこともあるようだ。中でもサカナ図鑑の完成を目指すやり込み派にとってそのストレスは多大なものらしく、海外ではスズキをネタにした投稿が多数見られる。たとえば、redditユーザーのNediaMaster氏が投稿した動画では、同氏が体験したスズキ地獄ぶりがユーモラスにまとめられている(reddit)。

Image Credit : NediaMaster / 任天堂

時に憎まれ、時に大喜利ネタとして活用されながら『あつ森』界に君臨してきたスズキ。ところが今月に入り、新たな参戦者が釣り人たちの頭を悩ませている。それは「サカナのたまご」。4月からイースターイベントの期間限定で登場し、水辺で釣り上げることがあるアイテムだ。たくさん集めれば季節のインテリアを作る材料になるのだが、このたまごの存在がプレイヤーを苦しめている。とにかく鬼のようにスポーンするのである。あれほど怒りを買っていたスズキは姿を消し、いま釣り上げられるのはたまごに次ぐたまご。サカナを集めたい人々にとっては輪をかけて邪魔な存在として扱われている。イースターエッグはほかにも地中や岩石から収集可能だが、いずれも通常の化石・鉱石採掘を圧迫しており一部で不満が募っている模様。こうした鬱憤はスズキと同じくジョークに昇華されるようになり、いまイースターをネタにしたネットミームが席巻している。

Image Credit : Tiniest of Bandits

釣りをしたいむらびとと生態系を追われるスズキ、奇跡の和解。「真の敵はイースターエッグだ」。

Image Credit : BedHeadBread

昆虫ばかり売りつけられ困惑するたぬきちに、むらびとは「ムシは唯一、たまごにならなかったからな」と返す。わずか200ベルの売値しかないイースターエッグ大量発生は金策プレイにとっても悩ましいようだ。

また一連のたまご批判のなかで同じく矢面に立たされているのが、イースターイベントの看板キャラ「ぴょんたろう」だ。黄色いウサギのような姿で踊りまわる陽気な住民だが、ネットでは「人の島に勝手に上がり込みたまごを大量発生させた悪党」というレッテルを貼られることもしばしば。一方、そんな彼に同情的な意見も少なくない。もともとぴょんたろうは「ふだんはハイテンションに応対してくれるが、誰もいなくなるとため息をついてうな垂れる」という、くたびれたアルバイトのような二面性を抱えるブラックな存在。『あつ森』においてもイースター・ヘイトの流れにあって「ひとりで大量のたまごを仕込まされ、あげくプレイヤーからも嫌われる不憫キャラ」という強烈な属性を確立しつつあるようだ。

仕込みに追われ、住民に煙たがられる薄幸さを描いたファンアート。コメントでは「邪険に扱ってごめんよ」という声も上がる。

「ホラーめいたウサギの着ぐるみ(?)」という容姿から他作品を連想したプレイヤーもいる。左からぴょんたろう・『Dark Deception』よりLucky the Rabbit・『Five Night At Freddy’s VR』よりSpringBonnieMan・『サイレントヒル』シリーズよりロビー君。

何もかもが思いどおりにいくわけではないのが本作の真髄。のんびりした気持ちで構えられればいいが、能率や達成度を重視するプレイヤーにとってはしばしばジレンマが生じるかもしれない。ネガティブな感情を大喜利化し、一種のあるあるネタとして昇華することは一種の療法として賢い手段だろう。

また一連のユーザーの声は任天堂にも届いていたようで、4月6日に配信されたVer. 1.1.4から「たまご」の出現率が調整される。これにより4月11日までたまごのスポーンが抑えられる見通しだ。イースター当日の12日のみ従来どおり大量のたまごが現れるそうなので、期間をうまく活用して収集するといいだろう。またスズキは期間を問わず釣り上げられるが、室内インテリアとして飾るとなかなか迫力のある大型魚だ。たまにはこちらも愛でてみてはいかがだろうか。

Yuki Kurosawa
Yuki Kurosawa

生存力の低いのらくら雰囲気系ゲーマーです。熾烈なスコアアタックや撃ち合いを競う作品でも、そのキャラが今朝なに食ってきたかが気になります。

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