『あつまれ どうぶつの森』で「善意で成り立つ」フリーマーケットを立ち上げたプレイヤー、強盗被害に遭う

『あつまれ どうぶつの森』にて「善意」で成り立つフリーマーケットを開いていたプレイヤーが強盗被害に遭ってしまったようだ。優しい世界を信頼したのが、仇となってしまったのか。

『あつまれ どうぶつの森』では、さまざまな交流がおこなわれている。一緒に釣りや昆虫採取をするもよし、鬼ごっこやかくれんぼに勤しむよし。椅子取りゲームを楽しんでもいい。最大8人で、さまざまなアクティビティを楽しもう。そんな中、Eurogamerに寄稿するEmma Kent氏は、フリーマーケットを立ち上げた。

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自分の島に露店のようなエリアを用意し、家具やフルーツを置いておく。島のゲートを開いておき、訪問したプレイヤーが露店のところまで足を運び、置かれている気に入ったものと自分のいらないものを交換する。取引や交換のシステムが存在しない本作であるが、プレイヤーの工夫によって生まれたアナログなフリーマーケットは、そのキュートなスタイルが好評を博していた(関連記事)。そんなKent氏のマーケットは、最終的に強盗の被害に遭ってしまった。同氏がEurogamerにてその内容を報告している。

フリーマーケット企画は好評を博しており、さまざまな人々が同じくマーケットを開くようになってきたほか、Kent氏自身のお店も拡大しつつあった。12個あったアイテムは20個まで置くようになり、さらなる展開のため、専用アカウント開設を決断。より多くの人々が島にこられるように、パスワードを設定しながらも島のゲートを開いていた。

しかし、悲劇は起こってしまったようだ。そう、アイテムを奪おうとするプレイヤーがいたのだという。お店の方向性を思い巡らせているある夜、事件は起こった。Kent氏がゲーム内スマートフォンを見るのをやめてふと画面に目をやると、フルーツの一部がなくなっていたのだという。そしてよく見てみると、店内のアイテムが半分ほど消えていた。アイテムを懐に入れているプレイヤーは、ものを落とす気配もない。そう、強盗にあったのだ。

パニックになった同氏は、ふたつの方法を考えた。マイナスボタンでオンラインセッションを正規に終了すること。これ以上被害が出ないように、はやく終了してしまおうという魂胆である。もうひとつは、チャットにて強盗をやめるように呼びかけること。人道的解決だ。そして最後に浮かんだのが、Nintendo Switchをスリープすることである。『あつまれ どうぶつの森』では、マルチプレイ中はスリープなど接続が切れる行為をおこなうことで、マルチプレイが強制終了される。この切断仕様の特徴は、マルチプレイにて得た/失ったアイテムが、すべてリセットされること。進行状況ごともとに戻してしまう豪快な仕様である。一方で、島にきているほかのプレイヤーの記録もまた飛行機に乗る前に戻される。苦渋の決断であるが、被害が深刻化するのを恐れたKent氏は、最終的にスリープすることを決断した。土壇場で露店の商品は守られた。

島ではこれまでにも、ルールを守らないプレイヤーも来ていたという。だがそれも、交換対象が花であったり鉄鉱石ひとつであったりと、かわいらしいもの。しかし今回は「本物」がきてしまったわけだ。このユーザーはおそらく、Kent氏のTwitterアカウントを見てパスワードを入力し島に来たのだろう。同氏はこの犯人の身元を特定し、ブロックしたという。また同時に島に訪れ、切断によりはじき出された、フレンドたちは、強盗について心配しベルを寄付してくれたとのこと。

このマーケットシステムは、信頼関係を前提として成り立つ、善意の露店である。いくら『あつまれ どうぶつの森』プレイヤーがお行儀いいからといっても、ひとりルールの守らないプレイヤーが現れれば、20個のアイテムと9個のフルーツは、根こそぎ奪われてしまう。そしてそれを返してもらえるすべもなく、違反行為として通報もできない。リスクを天秤にかけると、信頼関係の糸によって成立する、極めて危ない試みである。Kent氏は「こうなるだろうと予想はしていた」と語りながらも、かなりショックなご様子。同氏は今後もフリーマーケットを続けていくかまだ明らかにしていないが、もし再開したとしても、強い猜疑心をもってお店を開くことを強いられるだろう。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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