香川県でネット・ゲーム依存症対策条例議案可決。18歳未満の子供は、ゲームプレイ時間の目安が平日60分に

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香川県議会は3月18日、令和2年2月県議会定例会を開き、香川県ネット・ゲーム依存症対策条例議案を可決した。条例の施行は、2020年4月1日。同日以降、香川県内の保護者は責務を負い、18歳未満の子供に対してゲームの利用時間が平日60分(休日90分)、スマートフォンなどの利用を22時までやめることを目安に、子供と話し合いルールを策定し、ルールを守らせるよう努めなければならなくなる。

香川県ネット・ゲーム依存症対策条例議案は、インターネットやコンピューターゲームの過剰な利用が、子供の学力・体力の低下、ひきこもり、睡眠障害、視力障害などの問題を引き起こしているという指摘を元に、県民やインターネット・ゲーム関連事業者などに対して、責務や対策を実施するよう求める条例だ。条例議案本文によれば、こうした問題は社会問題になっているといい、子供が依存状態になった場合には、大人の薬物依存同様に抜け出すことが困難になるという。

本条例議案は、2019年9月に制定へ向けた初会合が実施された。当初は、香川県内の18歳未満の子供に対し、ネット・ゲーム依存症につながるようなスマートフォンなどの使用を平日60分(休日90分)に制限する内容だったが、2020年1月20日に行われた検討会で制限時間の対象をゲームへと変更(ITmedia NEWS)。2020年1月23日に、通常の募集期間の半分である約2週間を募集期間と定め、香川県内に住所を有する方と、インターネットおよびゲーム関連事業者を対象にパブリックコメントの募集を開始。2020年3月12日に行われた条例検討委員会を経て、3月18日に実施された令和2年2月県議会定例会にて可決された。現在罰則は規定されていない。条例の規定については、施行後2年を目処に、施行状況などから必要があると認められた場合には、必要な措置が講じられる。

可決された一方、疑問の余地も残されている。現在公開されている資料「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)(素案)について提出された ご意見とそれに対する考え方」によると、本条例に対して募集されたパブリックコメントでは、香川県内に住所を有する個人2613人と2団体、事業者71者から意見が集まった。反対のパブリックコメントを寄せた事業者が67者、香川県内の個人は333人が反対で、2268人が賛成の意見を提出している。しかし、ネット上で反対の声が上がっていたことや、条例に対する指摘が多数上がっていた点を考慮しても、提出されたパブリックコメントの数が他のパブリックコメント募集時よりも遥かに多く、香川県の市議会議員によりパブリックコメントの提出が呼びかけられたという報道や、賛成のパブリックコメントが募られたという疑惑がSNS上などでは持ち上がっている(ねとらぼ)。

条例検討委員会では、パブリックコメントの賛成意見が多かったことを踏まえて採決する方針が固められたが、パブリックコメントとは意見を行政機関が反映することで、公平さの確保や透明性の向上を図るものであり、資料に記されているとおり多数決ではない。当初は2020年2月下旬を目処に、パブリックコメントの概要とそれに対する県議会の考え方が公開される予定だったが、3月18日現在でも一般には公開されておらず、パブリックコメントのほとんどは確認できない状態だ。

くわえて、検討委員会のメンバーである秋山ときさだ氏は、ねとらぼの取材に対し、パブリックコメントの十分な検討ができていないと語っており、パブリックコメントに意義があったのかも疑問である。こうした問題は香川県だけではない。香川県の動きを受け、秋田県大館市教育委員会で、子どものインターネット・ゲーム依存を防ぐための条例制定に向けた議論が始められているほか(ITmediaNEWS)、2020年1月には大阪市の松井市長もエビデンスを検証する必要があるとも語っていた(Yahoo!ニュース)。

国内のゲーム業界4団体(CESA、JOGA、MCG、JeSU)は、香川県の条例案に対して、部分的には肯定的な意見を述べている。条例が家庭内でのルール作りを推進している点が、業界が目指してきたことそのものであるためだ。しかし、プレイ時間規制については、「具体的なエビデンスをもっていないので、現時点ではなんとも意見のしようがない」と慎重な構えを見せる(関連記事)。また同団体のプレスリリースでは、外部の有識者に調査研究を委託したという。ゲームに依存性はあるのか、確かな研究結果が求められている。

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