Steamの同時接続ユーザー数が2000万人突破。ほか『CoD: Warzone』の大躍進など、ゲーム人気の背後に潜むのは新型コロナの憂鬱か

Steamの同時接続ユーザー数が2000万人突破。Valveの『CS:GO』は初の同時接続ユーザー数100万人超え。Steam外でも『CoD: Warzone』が大躍進を見せている。そうしたゲーム人気の背後に潜むのは、新型コロナの憂鬱か。

PCゲーム配信プラットフォームSteamの同時接続ユーザー数が、3月15日に過去最高記録を更新した。その数なんと2031万3476人。つい先月にも1880万人を超える記録を更新したばかりだが、今回はそれを120万人も上回る。急激な接続者増加の明確な理由は断定できないが、新型コロナウイルスの影響により自宅で時間を潰すユーザーが増加したことが原因として推測される。

Steam公式統計より

このときもっとも遊ばれていたゲームは、Valve運営のFPS『Counter-Strike: Global Offensive』。同作は配信8年目を迎える古株ながらプレイヤー数を順調に増やしており、3月14日にはじめて同時接続ユーザー数100万人を突破した。2018年の基本プレイ無料化(関連記事)や2019年を通じて2倍近くに増加した中国プレイヤーの盛り上がりなどが人気を継続させているようだ。後に続くのは同じくValveの運営するMOBA『Dota 2』。またUbisoftの『レインボーシックス シージ』やPUBG Corp.の『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』などシューティング列強も並んだ。

ここ数日におけるオンラインマルチの盛況ぶりは、Steamの外でも見られる。3月11日にリリースされた『Call of Duty: Warzone』が、ローンチ後24時間でプレイヤー数600万人を突破したことはすでに伝えたとおり(関連記事)。その勢いはとどまることを知らず、3月14日には1500万人を超えたことが運営のActivisionツイッターにて報じられた。

https://twitter.com/CallofDuty/status/1238632552946003969

活況ぶりの背景には、各コンテンツの人気のみならず新型コロナウイルスの影響を無視できない。今やアメリカやヨーロッパでも各イベントの中止や飲食店の休業、あるいは外出制限までが敷かれる。家から出られない日曜日、多くのユーザーが気晴らしにオンラインへ銃を担いで出た可能性は高い。傾向が顕著に見られる国のひとつはイタリアだ。3月16日時点で新型コロナウイルスによる死者数が1800人超、致死率7.3%と、ヨーロッパの中でも極めて深刻な感染拡大が進む同国。はじめは北部に限られた移動規制が全土に広まり、学校も一時的に閉鎖された。そこで問題になっているのが急激に増加するインターネットの利用だ。イタリアの電気通信会社「テレコム・イタリア」によれば、ここ2週間で利用率が70%以上増加。各地から接続切れの苦情が同社カスタマーサービスに殺到した。同社の最高経営責任者Luigi Gubitosi氏はBloombergにて惨状を語り、一因が『フォートナイト』にあると名指しでコメント。学校に行けない子どもたちがオンラインに殺到した結果、ネットワークを圧迫した可能性を示唆している。

ちなみにSteamの話に戻ると、「接続しているユーザー」の数が2000万人の大台に乗ったのに対し「実際にゲームを遊んでいるユーザー」は630万人程度にとどまっている(参考:Steam DB)。すなわち同時接続者の中には、アクティブに戦場へ繰り出すプレイヤーだけでなく「手持ち無沙汰でストアやライブラリを回遊する者」「ひとまずPCを立ち上げ、Steamに自動ログインしたまま放ったらかしにしている者」なども含まれているということだ。いずれにしても爆発的な数字の影には、外に出られない各国ゲーマーの鬱憤が隠れているのかもしれない。先の見えない状況の中、空前のオンライン憂さ晴らしはまだ当分続きそうだ。

Yuki Kurosawa
Yuki Kurosawa

生存力の低いのらくら雰囲気系ゲーマーです。熾烈なスコアアタックや撃ち合いを競う作品でも、そのキャラが今朝なに食ってきたかが気になります。

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