デベロッパーのHuniePotは2月22日、現在開発中の美少女パズル&デートシミュレーター『HuniePop 2: Double Date』の発売を延期すると発表した。その理由として、開発者の健康状態の悪化を挙げている。
https://twitter.com/HuniePotDev/status/1231002964023623680
HuniePotは、Insomniac Gamesなどに勤めた経験を持つゲームデザイナーRyan Koons氏の個人スタジオで、新作『HuniePop 2』はこれまでのシリーズ作と同じく外部のタレントと協力して開発中。当初予定よりかなり遅れて進行していたそうだが、同氏の深刻な健康状態の悪化によりさらに遅れることになるとしている。具体的な症状については明かしていないが、2017年中頃に患った健康問題に似ていると説明。当時は、仕事におけるストレスにより精神面の健康を崩したとして、本作を含む開発中の作品の無期限発売延期を発表していた。
近年は、ゲーム開発者のメンタルヘルスが注目されることが増えてきている。2019年には非営利団体Take Thisが、ゲーム業界におけるメンタルヘルスについての調査報告書を出しており、その中ではスタジオでの長時間労働(Crunch)や職の不安定さ、また多様性の欠如などからくるストレスを指摘している。これはある程度の規模のスタジオで働く人を対象に調査したもので、インディー開発者の状況はまた異なるかもしれない。
ただ、たとえば宇宙RPG『Limit Theory』を個人で開発していたJosh Parnell氏は、作りたいものに好きなだけ情熱を注ぎこめる環境は、自身の生活を犠牲にすることにも繋がると述べる。Parnell氏は精神疾患を患い、結果的に同作を発売中止にした(関連記事)。また、日本民話をもとにしたアドベンチャーゲーム『ミネコのナイト·マーケット』を夫婦で手がけるMeowza Gamesも、精神および身体面の健康を崩したことで同作の発売を延期し注目された。個人あるいは小規模で活動していることは、インディー開発者ならではのメンタルヘルスへの不安を生むことがあるようだ。
Ryan Koons氏が手がける『HuniePop 2』は、マッチ3パズルを通じて女の子とデートを重ねるゲーム。非常に高い評価を得た前作からパワーアップし、2人の女の子とのダブルデートが可能に。また、集めたフルーツからスムージーを作って女の子にプレゼントしたり、女の子に好みを聞ける新たな会話システムなど新たな要素を導入している(関連記事)。今年1月には近日発売予定とされていたが、今回の件により無期限延期となるようだ。
Koons氏は、全快するまでにどれだけの時間がかかるか分からないものの、今は自身の健康の回復を優先する必要があるとして、本作の発売を待ちわびるファンに謝罪。そして、サポートしてくれているファンに感謝の言葉を述べている。また、上のゲームプレイ映像で見られるように本作はほぼ完成しているため、いずれ素晴らしい作品として発売されるだろうとし、発売中止にはならない考えを示しファンを安心させている。