パブリッシャーTHQ Nordicの親会社Embracer Group(旧THQ Nordic AB)は2月19日、デベロッパーのSaber Interactiveを買収することで合意したと発表した。買収金額は1億5000万ドル(約165億1340万円)で、このうち1億ドルは現金で、残りは株式で支払う。また設定された開発マイルストーンの達成などにより最大3億7500万ドル(約412億8600万円)を追加で支払うとのこと。
Saber Interactiveは2001年に設立された老舗デベロッパーで、現在アメリカやロシア、スペインなど欧米に6つのオフィスを持ち、600名以上のスタッフを抱える。これまでに手がけた作品としては、『World War Z』や『Spintires: MudRunner』など数多くあり、また『Halo: The Master Chief Collection』の開発協力や、『ウィッチャー3』『Call of Cthulhu』『Vampyr』のNintendo Switch移植を担当したことでも知られる。
今回の買収についてEmbracer Groupの設立者/CEOのLars Wingefors氏は、Saber Interactiveにはクオリティの高い仕事を継続しておこなってきた歴史があるため、これまでずっと注目していたとコメント。また、近年は自己資金でのプロジェクトに取り組み、『World War Z』が300万本を超える売り上げを記録したことは特に印象深かったとしている。一方のSaber Interactiveの共同設立者/CEOのMatthew Karch氏は、独立したデベロッパーとしてのこの19年の間には多くの申し出があったが、パーフェクトなパートナーをついに見つけることができたとし、これから多数のプロジェクトに共に取り組むことを楽しみにしている旨を語っている。
Embracer Groupは、多数のスタジオとIPの買収を繰り返して急速に成長しており、現時点で合わせて84社ものスタジオを抱えているという。THQ Nordicや、Deep Silverを保有するKoch Mediaを中心にゲーム業界で強い存在感を見せており、今回買収したSaber Interactiveは、これらと並ぶ5つ目のスタジオグループとして傘下に入り、今後も引き続き独立した運営がおこなわれるとのことだ。
なおSaber Interactiveの開発タイトルとしては、『Spintires: MudRunner』の続編『SnowRunner』が今年4月29日に発売予定となっている(関連記事)。こちらはFocus Home Interactiveが販売元だが、買収前の契約によって手がけた作品であるため発売には影響はないだろう。