『Ballistic Craft: 弾導のアルケミスト』Steamで配信開始。自由にカスタム可能なショットを使って繰り広げられるハイスピードバトル開幕

国内のインディーゲームパブリッシャーGameTomoは2月13日、『Ballistic Craft: 弾導のアルケミスト』をSteamにて配信開始した。『弾導のアルケミスト』は、Palladium Softが手がけたリアルタイム3D弾幕アクション。

国内のインディーゲームパブリッシャーGameTomoは2月13日、『Ballistic Craft: 弾導のアルケミスト』(以下、弾導のアルケミスト)をSteamにて配信開始した。通常価格は税込1190円。発売からの1週間は、10%オフのセールが行われる。

『弾導のアルケミスト』は、Palladium Softが手がけたリアルタイム3D弾幕アクション。速度と軌道を自由自在にカスタムできるショットを用いて、1対1のハイスピードなバトルを繰り広げる作品だ。プレイヤーが操作するのは、魔導師の少女。3個のショットを装備した少女を操り、ジャンプ/ダッシュ/移動/ガードで相手の攻撃へ対処しながら、先に相手のHPを削りきり、勝利を目指して戦っていく。ざっくりいって、ハイスピードでショットが強力かつカスタマイズできる『カスタムロボ』といったところだ。

本作最大の特徴であるショットのカスタマイズは、専用のエディットモード「ショット開発」から行う。ショットは最大20発の弾で構成されており、発射タイミングを示す1フレーム単位(1秒60フレーム)のタイムライン上に弾を配置し、1発1発の弾を弄って詳細な挙動を制御していく。

編集できるのは、弾の軌道、ホーミングの有無、速さ、グラフィック、大きさだ。この内、軌道、ホーミング、速さは自由に追加可能なノード単位で編集する。弾道編集では、エディタ上に表示されたノードの位置を動かして弾の到達点を変え、ホーミングの有無とカーブによって直線以外の軌道を実現。スピード編集では、0から100(単位はm/sec)までノード間の速さを指定。0に設定した場合、追加で停止時間が編集できる。これらの要素によって、上昇した後ゆっくり相手に向かって飛ぶ弾、高速で相手まで到達する弾丸、円を描きながら途中で停止したり加速する魔弾といった、多様な挙動の弾が実現できる。

弾は1発ごとに異なる挙動、発射タイミングを設定できるので、ショット全体では直接的な攻撃以外に、戦術的な意図を持たせることも可能だ。また、1発ごとの弾の威力は固定なので、弾の数によって火力は調整する。エディタ上には、コピーとペーストを含めた基本的な機能にくわえて、試し打ちも搭載。試し打ちでは、CPUにジャンプやダッシュをさせて、動いている相手にどのような動きをするか確かめられ、ショットの調整がしやすくなっている。既存のショットを読み込んで少しだけカスタマイズしたり、Steamワークショップへも対応している。

一方ショットには、3000までのコスト制限がある。コストは主に速さと、弾の数/大きさ/距離によって増減。ショット発動時には、コスト分のMPを消費し、コストによってショット後の硬直も変化する。コスト上限を越えていてもそのショットは使用できるが、上限を越えた分の弾は発動しない。また、4フレーム以内に2発以上の弾が存在する場合はペナルティがかかり、ホーミング性能が弱くなる。とはいえ、これらは強すぎるショットが作れない程度のもの。いかにも呪われそうな魔弾をフィールドにばらまいたり 七色にきらめく鮮やかな弾幕を展開したりなど、プレイヤーの考えたショットがゲーム中に再現できるようになっている。ショット開発にはしっかりチュートリアルが用意されているため、エディタと向き合えば誰にでもショットはカスタマイズ可能だ。

対戦では、そんなオリジナルショットを3つ装備したキャラクターを操作し、互いに強力な弾幕を展開。高速で直接自機を狙いにくるショットと、時間差で自機へ迫ってくるショットの2つが同時にやってくるような状況や、根本的にホーミング性能や弾の速度が高いものを、ダッシュ/ジャンプを使って避けつつ、相手に攻撃を加えていく。

攻撃が苛烈な分、キャラクターの性能も高く、ダッシュはMPの続く限り地上なら何度でも使え、ジャンプは地上から3回まで発動可能。それでも攻撃にあたってしまった場合には、相手と反対の方向へ移動を入力しておくとガードが発動し、ガードポイントへのダメージなどを軽減させる。ダッシュとジャンプは、ダッシュショットとジャンプキャンセルによって、ショットのリスクを軽減しながら攻めに使うこともできる。思い思いに開発できるショットに、それを回避できるだけの高性能なキャラクターが合わさることで、展開が早く高度なバトルの繰り広げられる対戦ツールへと仕上がっている。

また、『弾導のアルケミスト』には、シングルプレイヤー用のクエストモードが搭載されている。毎年春に開催される魔導騎士団の頂点を決める大会リーグ・オブ・クラフターズ。優秀な魔導騎士たちの集う大会に、抽選枠として町から選ばれた魔道士の少女がいた。この最弱にして最強の挑戦者こそが、クエストモードにおける主人公。

プレイヤーは彼女を操作し、グリモア片手に魔導騎士たちを打ち破っていく。対戦相手の魔導騎士を含め、キャラクターにはそれぞれテキストが搭載。対戦相手の人数はかなり多く、クエストモードだけでも数時間分のボリュームは用意されている。なお、クエストモードでは対戦結果によって新しいショットが手に入るが、予め開発したショットを持ち込んでNPCを蹂躙することも可能。オンライン対戦では、ランダムマッチとフレンドとの対戦に対応している。

本作を開発したPalladium Softは、コンシューマー作品の開発経験もある八橋フォヌカポウ氏によるインディーゲームサークルだ。『弾導のアルケミスト』は八橋氏が、同種の対戦ゲームでメインウェポンの挙動を自作し、持ち寄って対戦できたら面白いんじゃないかと思い、ある日行動に移したところから開発がスタート。クラフトの自由度とゲームバランスの両立を心がけて開発が進められ、当初はより自由なショットが作成できる状態だったが、ゲームバランスとの両立が難しいため、調整を加えて現在の形になっているそうだ。他の作品と比較した際、ショットがカスタムできる分、緻密なにらみ合いよりも高速で直接的な攻防が展開されるようになっているという。

また、体験版からも調整が行われており、ゲームスピードが向上したほか、ガードの追加やショット中に被弾しても強制気絶がなくなるなど、キャラクターの強化が実施されている。対戦ツールとして開発されているだけに、オンライン人口が気になる『弾導のアルケミスト』。発売直後ならある程度のプレイヤーが居ると思われるので、気になる方は早めに手を出しておくと良いだろう。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

Articles: 2515