個人クリエイターRobert Tatnell氏は2月11日、『Hokko Life』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、2020年より早期アクセス配信を予定しているという。正式リリース時期については、2021年Q1もしくはQ2を目指しているとのこと。
『Hokko Life』は、辺境の村で暮らすライフシムゲームだ。プレイヤーは電車から降り、小さな街Hokkoへとたどり着いた。小さなこじんまりとした街であるが、プレイヤーの助けを必要としているようだ。誰もが愛するかわいらしい街にするために、街を盛り上げる手助けしていく。
プレイヤーはHokkoにて自由に生活することが可能。水際で魚を釣ってもいいし、昆虫を採取してもいい。ガーデニングを楽しんで作物を収穫するもよし。いずれのアイテムも換金することができるといい、活動資金にすることができるだろう。街にはたくさんの動物が暮らしており、彼らと友達になるのも楽しみ方のひとつだろう。ゲーム内には曜日と時間の概念が存在しており、現実の時間と同期しているようだ。時間にあわせてどんなことをするのか考えてみるのもよさそうだ。
本作においてもっとも力が入れられているのは、デザイン。街で素材を集めて、クラフトすることで家具やアイテムを作成。自分の家に飾ったり街をデコレーションしたりすることができる。デザインをすることが、街を盛り上げる手段のひとつであるようだ。樹を伐採し、そこから木材を手に入れ、イスを作成する。家具作成は、シンプルでありながら機能性の高いエディターによって、形の違う素材を組み合わせたり、細かくカスタマイズおよびデザインしたりすることができるそうだ。衣服のデザインについても、かなり細かくできるとのこと。新しく越してきた動物の家についても、建設して用意するようなこともできるようだ。
と、ひととおりの要素を紹介したが、コンセプトからデザインまで何かと『どうぶつの森』に類似している。頭身からどうぶつの雰囲気まで、そのまま。海外メディアKotakuは同作を「恥知らずの『どうぶつの森』クローンがPCで発売される」とばっさり。『Hokko Life』発表トレイラーには、高評価を上回る低評価が集まっており、コメント欄は閉じられている。これまで『どうぶつの森』エッセンスを取り入れた作品は数多く発売されてきたが、ここまでそっくりな作品がメディアに取り上げられることはあまりない。『Cuphead』から影響を受けた『Enchanted Portals』のように(関連記事)、いくら海外といえど、あまり似すぎていると批判を受けてしまうのかもしれない。
なお今回『Hokko Life』の発表において、クローンゲームの成功例としてしばしば引き合いに出されているのは『Temtem』。こちらは『ポケットモンスター』から影響を受けたゲーム。発売するな否や大ヒットを記録し、全世界売上上位にてトップ5圏内を守り続けている。『Temtem』については確かに『ポケットモンスター』の影響を強く感じさせるものの、デザイン面は大きく異なっており、戦闘は2vs2バトルを基本としたり、MMO型のマルチプレイを導入したり、運要素を排除したりと独自の要素を数多く取り入れている。そうした差別化がなされている点を留意しておくといいかもしれない。
ただ『Hokko Life』は、Robert Tatnell氏ひとりで開発しているがゆえに、ゆっくりとコンテンツを実装していくという。3月に大幅進化を果たす『どうぶつの森』にどこまで寄せていくか、そしてどこまで差別化していくか。Steamではそうしたクローンゲームに一定の需要があり、開発者のTwitterアカウントには期待を込めたあたたかい応援のメッセージも寄せられている。ただし否定の声も多いだけに、発売まで超えていくべき壁は、想像以上に多いかもしれない。
『Hokko Life』 は、Steamにて2020年に早期アクセス予定だ。