新型コロナウイルス、ゲーム業界への波紋広がる。PS5やXbox Series Xへの影響も危ぶまれる

 

中国湖北省の武漢市から発生が拡大している新型肺炎である新型コロナウイルス感染症。その影響は次世代機プレイステーション 5(PS5)やXbox Series Xの生産にも及ぶ可能性があるとBusiness Insiderが報じている。

新型肺炎による中国国内の被害は大きく、世界の家庭用電化製品の大半を生産する中国の製造部門は特に大きい打撃を受けている。その影響がゲーム業界にも及んでいることは、2月6日に任天堂がNintendo Switch 本体、およびリングフィットアドベンチャーやJoy-Conなどの周辺機器等の生産および出荷遅延を発表、また、「Nintendo Switch あつまれ どうぶつの森セット」の予約開始を延期すると急遽発表したことによって浮き彫りとなった。

任天堂のみならず、現在コンシューマーハードの大部分は中国で製造されており、製造部門への打撃の波紋は、次世代機であるプレイステーション5やXbox Series Xにも広がるのではないかと前出のBusiness Insiderは懸念している。というのも、中国の大手サプライヤーのFoxconnは現在コロナウイルスの拡大感染を受けて、工場を一時閉鎖し生産を停止している。FoxconnといえばiPhoneの生産を担当。日経アジアなどはこの工場の稼働停止が次世代iPhoneの生産スケジュールに影響していると伝えている。Xbox OneもPS4もほとんどが中国で生産されており、ほかの国にも生産拠点があるにせよ、中国は主要エリアだろう。

現状、次世代機となる両ハードはともに2020年のホリデーシーズンにローンチを予定。新型肺炎の影響が長期化することでスケジュールの組み直しが余儀なくされ、出荷数の制限、あるいはローンチ日の延期もありえると、投資家グループJefferies Groupは指摘している。なお、現状ソニーとマイクロソフトは、懸念点に対するBusiness Insiderの問いあわせに対してコメントを出していない。

さらに、先日『アウター・ワールド』のパブリッシャーであるPrivate Divisionは、Nintedo Switch版の移植を担当する中国各地を含む世界中にオフィスを構えるVirtuosが新型肺炎の影響を受けたことから、スタジオを一時閉鎖。ダウンロード版の販売延期を発表している(関連記事)。他のスタジオへの影響も推測すると、ハードウェアの製造だけでなく、ソフト開発・販売への影響も懸念される。

【UPDATE 20200/2/7 18:10】
Nintendo Switch版『アウター・ワールド』の延期対象についての記述を修正しました。

その他、2月8日に開催予定だった「台北国際ゲームショウ 2020」が夏に延期。2月16日よりマカオで開催予定だった「WESG 2019-2020 APAC Final」が中止するなど、各ゲームイベントにも影響が及んでいる。

急速に感染が拡大している新型コロナウイルス感染症、今後の動向に注目しつつ、一刻も早い収束を願いたい。