Take-Two Interactive(以下、Take-Two)は2月4日、Rockstar Gamesのクリエイティブ面を統括するヴァイス・プレジデントDan Houser氏が、3月11日付で退社することを発表した。Houser氏は2019年春より長期休暇に入っており、そのまま去る形となる。Take-Twoが米国の証券取引委員会に提出したForm 8-K(臨時報告書)に記載されている情報であり、長年同社に貢献してきた共同創設者が抜けるということで、情報公開後には親会社Take-Twoの株価が5.5%下落した(MarketWatch)。なおTake-Twoは、2月6日に今会計年度第3四半期決算報告を控えている。
Dan Houser氏は1998年、兄弟のSam Houser氏らとともにRockstar Gamesを創設。『グランド・セフト・オート』(以下、GTA)シリーズのプロデューサー、同シリーズおよび『レッド・デッド・リデンプション』シリーズなどのメインライターとして、Rockstar Games作品の大ヒットに多角的に貢献してきた。退社理由については言及されていないが、GamesIndustry.bizに寄せられたTake-Twoのコメントによると、Dan Houser氏の兄弟であるSam Houser氏は役職に変わりなく、Rockstar Gamesのプレジデントとしてそのまま在籍し続けるという。
Dan Houser氏によるRockstar Gamesへの貢献は計り知れない。『GTA』『レッド・デッド・リデンプション』はいずれもビデオゲーム業界を代表する大作シリーズであり、今年1月には『GTAV』と『レッド・デッド・リデンプション2』の合算売上本数が1億5000万本を突破したと報告された(公式サイト)。NPDが発表した、2010年代に米国でもっとも売れたゲームランキングでは、前者が1位、後者が7位にランクインしている(VentureBeat)。
ゲーマーとして実感しやすいのは、メインライターとしての貢献だろう。近々では『レッド・デッド・リデンプション2』にて、Houser氏を含むシニア・ナラティブチームの4人が一時的な週100時間労働を経験したと語っていたほどの尽力ぶり。『GTA』に関しては、新作を作るにしても、同シリーズの醍醐味である風刺を成立させることが難しい時代になっていると2018年に語っていた(関連記事)。メインライターとしての役割から見ると、『レッド・デッド・リデンプション2』『GTAV』の完成をもって、ひとつの区切り目を迎えたとも言えるだろう。Houser氏の次なる活動はもちろんのこと、Houser氏が去ったことでRockstar Gamesにどのような影響がおよぶのか、今後の行方が気になるところである。