「いま『GTA VI』を発売していなくてよかった」とRockstar Games幹部が安堵を見せる。風刺をするには、時代の流れが速すぎる

Rockstar Gamesは10月26日、『レッド・デッド・リデンプション2』を発売する。『レッド・デッド・リデンプション2』の舞台は1899年のアメリカだ。開拓時代が終わり、法執行官が無法者のギャングを一掃し始めていた時期。ガンマンと無法者が姿を消しつつある時代の変わり目にて、主人公となる主人公アーサー・モーガンは、自身が所属するダッチ・ギャングのメンバーと共に旅をする。

Rockstar Gamesといえば、『レッド・デッド・リデンプション』だけでなく、『グランド・セフト・オート(GTA)』シリーズを手がけるメーカーとして名を馳せている。男性向けファッション・カルチャーマガジンGQのインタビューに答えた共同設立者のDan Houser氏は、今このタイミングでリリースするゲームが『GTA VI』でないことを、ありがたく思っているようだ。

(『GTA VI』を作るとして)私達がどういった作品を作りたいのかははっきりしないですね。何をつくるにせよ、それに対し人々がどれほど怒りを示すかという点については、もっと読めないです。過激なリベラルと過激な保守主義の動きは、共にとても好戦的で、怒気に満ちています。また、恐ろしく、そして奇妙なことに、両者の動きはしばし滑稽な方向に向かうことがあります。こうした理由から、風刺をすることが難しくなっているのです。現実で起きている出来事のいくつかは、風刺どころで収まるものではなくなっています。2分も過ぎれば時代遅れになってしまうほど、すべての物事が目まぐるしく移り変わっているのです。

社会のあらくれたちが、犯罪に手を染めながらアウトローなドラマを紡ぐ『GTA』は、ゲームのテーマ自体が反社会的。それだけでなく、各シリーズのシナリオにその時代に対する風刺も含まれているという。『GTA V』は、西洋の文化など現代への痛烈な皮肉が含まれているとしばし評された(The Guardian)。同作のシナリオのアイデンティティに風刺が組み込まれているならば、今の時代に“何を風刺すればいいか”という問題に向き合わなければならないのだろう。極端な政治思想、そしてその思想の変動が激しい時代においては、アイディアが生まれてから発売するまで時間を要するゲームで社会を風刺をするのも、なかなかに難易度が高い。その点、『レッド・デッド・リデンプション2』は現代を描く話ではない。昔の価値観などを表現する上では苦労があったようだが、少なくとも“時代遅れ”にはならないのかもしれない。

この発言は、彼らが『GTA』シリーズ新作に積極的に取り組んでいないと解釈できるかもしれない。というのも、『レッド・デッド・リデンプション2』にはRockstar Games社として極めて大きな規模で開発に取り組んでいることが明かされていた。発売前に掲載されているスタッフクレジットがとんでもなく長いことも踏まえて、膨大な数のスタッフが『レッド・デッド・リデンプション2』の開発に参加していたと推測できる。

また『GTA VI』の噂はたびたび流れ続けているものの、いまだ信憑性のある話は出てこない。今年の3月にはYouTubeチャンネルThe Knowが、内部情報を得たと前置きし、同作の舞台が架空のマイアミをモチーフとしたVice Cityになると報道したが、信憑性が薄い上に断片的な情報だ。7月には『GTAオンライン』内に「『GTA VI』が2019年にリリースされる」という謎の文言が出現(関連記事)。最終的にはハッカーによるフェイクであったことが判明したが、シリーズ最新作の注目度は極めて高い。それらしいリークなども聞こえてこないことと、Houser氏が今『GTA VI』がでなくてよかったと発言したことと照らし合わせると、開発はそれほど進んでないと考えられるかもしれない。

※The Knowの当該動画。5万回前後の再生数がメインとなっている同チャンネルにおいて、当該動画の再生数は70万回を上回っており、彼らとしてはおいしい投稿だったかもしれない

いずれにせよ、今は10月26日に発売される『レッド・デッド・リデンプション2』を楽しむのがよさそうだ。発売日にはモバイル向けのコンパニオンアプリが配信予定。同アプリでは、主人公アーサー・モーガンの基本ステータスをリアルタイムでデバイスから確認でき、TV画面から全てのゲーム内HUD情報を消した状態で楽しめる。さらに、アーサーのゲーム内日誌を確認したり、Social Clubでのデータ記録を利用したり、完全版の詳細なゲームマニュアルを確認することも可能。『レッド・デッド・リデンプション2』はゲーム本編だけでなく、プレイのサポートやプロモーションなどこだわりが込められている超大作なのだ。同作をプレイするかたわらで、いつか発売されるであろう『GTA』シリーズ最新作にどのような風刺が込められるのかを想像し、心待ちにしたい。

ニュース

Indie Pick

インタビュー

レビュー・インプレ

Devlog