『メトロイドプライム4』の開発に、ベテラン開発者続々と集う。『Halo』シリーズモデラーに加え、『BF5』アートディレクター参加
『メトロイドプライム4』の開発に、ベテラン開発者が続々と参加しているようだ。『メトロイドプライム4』は、任天堂が販売するFPS『メトロイドプライム』シリーズの最新作。E3 2017にて制作が発表されていたが(当時開発元不明)、昨年1月には任天堂の求める品質に達していない状態にあるとされ、開発の仕切り直しが公式に発表された(関連記事)。シリーズを手がけてきたレトロスタジオのもと、最初からやり直すことになったわけだ。
そうした中、昨年よりベテラン開発者数名がレトロスタジオに加わっていることがVideo Game Chronicleより報道されている。特に注目されたのが、Kyle Hefley氏の加入。同氏はActivisionにて『Call of Duty』をはじめさまざまなタイトルのモデラー/モデリングスーパーバイザーを務めたのち、343 Industriesにてシニアキャラクターモデラーとして『Halo 4』『Halo 5』に携わった経歴を持つ。ArtStationのポートフォリオを見ると、氏の実績や力量の一端が垣間見えるだろう。『メトロイドプライム』シリーズは、世界観やキャラ/敵の造形が重要なこともあり、氏の加入は大きなプラスになりそうだ。
そしてVideo Game Chronicleは、2月2日に新たな開発者が『メトロイドプライム4』制作に加入したと報道。DICEにてアートディレクターを務めてきた、Jhony Ljungstedt氏がレトロスタジオに入社したと伝えている。氏は『Mirror’s Edge: Catalyst』や『Battlefield V』をはじめ、数多くのDICE作品にてアートディレクションを担当してきた。経験豊富なベテラン開発者は、2月3日には自身のTwitterにてDICEを退社しレトロスタジオに加入したことを認めている。
彼らは超有名クリエイターというわけではないが、大作をハンドリングしてきた確かな実績を持つ開発者。『メトロイドプライム4』の制作に絡むのはほぼ確実だろう。彼らの加入は、レトロスタジオにとって大きな意味を持つかもしれない。というのも、レトロスタジオは人材の流出が続いていた背景があるのだ。
『メトロイドプライム』シリーズは、一人称視点での『メトロイド』の展開という困難なミッションを達成し支持を得てきたものの、高い評価を獲得した『メトロイドプライム3』の主要開発者が数多く退社している。ディレクターのMark Pacini氏、アートディレクターのTodd Keller氏、メインエンジニアのJack Mathews氏が同社に別れを告げ、Armature Studioを設立。シニアデザイナーのTom Ivey氏は3名の後を追うように同スタジオに加入。マイクロソフトと共に『ReCore』を手がけていた。
もうひとりのシニアデザイナーMike Wikan氏はid Softwareへと旅立ち、エンジニアディレクターのFrank Lafuente氏はDaybreak Game Companyに加入。アメリカのスタジオは日本よりも人材の流動は激しいとはいえ、主要スタッフがごっそりと抜け、その後シリーズナンバリングタイトルがリリースされないことから、スタジオの存続の危機が囁かれていた。レトロスタジオはその後『ドンキーコングリターンズ』シリーズの開発により、スタジオとして実力が再び評価されたものの、『メトロイドプライム4』シリーズの仕切り直しによりレトロスタジオが制作を取り仕切ることに関しては、前作のスタッフが抜けたことによる影響が危ぶまれていた。
そうした意味では、立て続けのベテラン開発者複数名の加入は、レトロスタジオの人材への懸念を和らげるものになりえるだろう。プロデューサーを務めるのは、これまで『メトロイドプライム』シリーズをハンドリングしてきた田邊賢輔氏ということで、らしさを引き継ぎながら最新作が開発されることを期待したい。『メトロイドプライム4』はNintendo Switch向けに発売予定だ。