亡命2Dアクション『ミニストリー・オブ・ブロードキャスト』Steam向けに配信開始。リアリティ番組に参加し、自由を求めて壁の向こうへ

 

弊社アクティブゲーミングメディアの運営するインディーゲームパブリッシャーPLAYISMは1月30日、亡命2Dアクション『ミニストリー・オブ・ブロードキャスト(Ministry of Broadcast)』を配信開始した。対応プラットフォームはSteam/GOG。通常価格は税込1520円、販売開始から1週間は10%オフのセールが実施される。なお、本作はNintendo Switch向けにもリリース予定であり、2020年内発売予定とされている。

『ミニストリー・オブ・ブロードキャスト』は、ジョージ・オーウェルの著作「1984年」の世界観をベースに、チェコのデベロッパーMinistry of Broadcast Studiosが開発した亡命2Dアクションゲームだ。舞台となるのは、突如現れた壁によってもともと一つだった国が分断されてしまった世界。壁のこちら側では、政府によって社会が管理されており、国民は自由に壁を超えることすら許されない。唯一壁を超える方法は、政府の放送する過酷なリアリティ番組「ウォールショー」へ出演し、勝ち残ること。

本作の主人公は、壁によって家族と別れてしまった男。嘘か真か、家族と再開するための唯一の道として「ウォールショー」への参加を選んだ男は、ショーで生き残りを目指していくことになる。雪が降り積もり中行われるウォールショーには、政府による監視が行き届いており、衆目が放送を見ている。果たして、希望はあるのだろうか。プレイヤーは、主人公を操作しつつ、リアリティショーの行方を視聴者としても見守っていくそうだ。

リアリティ番組のために用意された危険なアリーナには、鉄骨の上を渡っていくステージ、棘の床、燃え盛るゴミ箱などが障害物として設置されている。ゲームプレイでは、これらを2Dアクションらしくジャンプやダッシュを駆使してクリアし、亡命を目指すしていくことになる。『プリンス・オブ・ペルシャ』『Oddworld:Abe’s Exoddus』などに影響を受けているといい、古典的な横スクロールアクションの魂が受け継がれているそうだ。また、ストアページによればUIの表示やストーリーテリングにもこだわりが見られる。体力バーを表示する代わりに環境の中に必要な情報を埋め込むことで没入感を高め、ステージを遊んでいるうちに背景やNPCの会話などから徐々にストーリーが紡がれていくのだという。前述のとおり、本作におけるプレイヤーは視聴者でもあるそうだが、これらの工夫により亡命2Dアクションとしてだけでなく、ディストピアに生きる放送の視聴者としての体験も描かれていくのかもしれない。

『ミニストリー・オブ・ブロードキャスト』の配信開始に合わせて、全世界の亡命者が監視できる「放送省ウェブサイト 」が公開されている。ページ上には、本作の概要と共に先行プレイの実況動画が管理リストとして公開中。また、亡命志願者を募集しており、PLAYISMへ申告すると、管理リストへすぐに追加されるそうだ。


なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。